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『アンナチュラル』を支える名バイプレーヤー・市川実日子の“バレー部の先輩感”に釘付け!

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『アンナチュラル』公式サイトより

 今回は『アンナチュラル』( TBS系・毎週金曜22時放送)に出演する市川実日子さんについて。アラフォー世代のアオハル時代に大人気だった雑誌『olive』(マガジンハウス)でモデルをしていた市川さん。当時から鋭い眼光で存在感を放っていたのですが、時を経て今は演技で目立つ存在へ。それも赤文字雑誌のキラキラ系から女優業へ進出、という定例パターンの女優さんとは全然“枠”が違う自然体(に見える)の役で光る女優さんになっていました。そんな、演技はアンナチュラルではない市川さんに最近、非常に惹かれています。

“不自然死究明研究所=通称UDIラボで法医解剖医として働く三澄ミコト(石原さとみ)。年間400体以上運ばれてくる遺体を解剖して、死因を突き止めるのが彼女の仕事だ。同僚の臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、記録員でUDIラボのことを内密に取材する久部六郎(窪田正孝)。そして亡くなった恋人の解剖をした過去を持つ中堂系(井浦新)たちとともに、不自然死の真実に日々向き合う。実はミコトも両親を無理心中で失うという、悲しい過去を持ちながらーー”

 ドラマは基本的に一話完結で何らかの事件を扱います。院内感染、婚約者の死、集団自殺、いじめを受けて死を選ぶ少年たち……さまざまな死の真相をミコトたちが追究していく様子がドラマの大筋。“死人に口なし”とはよく言うけれど、死亡者が伝えきれなかった思いや誤解を、遺体に残るわずかな手がかりから見つけて解明していくのです。

 ストーリーはムダなく1時間内で二転三転するスピード感に溢れています。その盛り上げを担っているのが、出演者によるこれまたリズミカルな会話劇でしょうか。特に石原さとみの早口はお見事。観る側にいい感じの焦燥感をもたせてくれます。

 親を無理心中で亡くし、義母(薬師丸ひろ子)に育てられたミコト。裏で週刊誌にUDIの情報を垂れ込んでいる久部……と登場人物それぞれが闇を持つのですが、そんなことがまったく気にならなくなるほどUDIラボのメンバーが死の真相究明をする物語が楽しい。それが『アンナチュラル』です。

 そのミコトの同僚であり、友人の東海林を演じているのが市川実日子さん。バイプレーヤーという立ち位置で、ここ数年、出演作品を切らさない売れっ子女優さんです。今回は優秀な臨床検査技師でミコトの良きパートナー、かつ“異性間交流会=合コン”に闘志を燃やすチャラい設定の女性を演じています。ミコトと東海林のクールな会話がドラマ内では見もののひとつ。例えば第6話のこれ。

東海林:今、彼氏なんてほしくないの。
ミコト:出た。
東海林:彼氏を欲しがって、熱心に頑張っちゃってる私がバカみたい。バカだと思ってんでしょ?
ミコト:思ってないよ。
東海林:ミコトはさ、何で結婚間近の彼氏と別れたわけ? 贅沢なんだよ。
ミコト:何でだっていいでしょ。
東海林:ああ、そう。ミコトってそういうとこあるよね。自分のことを何も話さないし、何考えているかわかんない。まあいいけど。別にうちら友達じゃないし。
ミコト:まあ、そうね。ただの同僚だし。

 結局、2人は誰がどう見ても名コンビであり、親友なんですけどね。こういう普通に日常で話していそうな会話の台詞回しがいい。

 クール、自然体、脱力感、そばかすフェイス……と私が感じる市川さんの魅力を表すためにいろいろ言葉を思い浮かべてみたのですが、これだけじゃいまいちピンとこない。じゃあなんでこんなに彼女から目が離せなくなるのかと熟考。その答えが彼女の醸し出す“バレー部の先輩感”にあるのではないかと。テニス部でも、バスケット部でもなくて、バレー部。

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スナイパー小林/小林久乃

文筆家、編集者、エンタメ&テレビドラマ評(コラム)からの愛酒家。出版社2社で女性ファッション雑誌、情報誌の編集部員を経て、まんまとフリーランスに。ライターの先生や地方で講演と楽しいおしゃべり仕事もしてます。静岡県浜松市出身。アラフォーで正々堂々の独身を誇る…。

@hisano_k

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