能年玲奈は2006年から芸能事務所レプロエンタテインメントに所属。奇しくも西内まりやと同じく「ニコラ」(新潮社)モデルとしてキャリアをスタートさせている。ただしトップ人気を誇る看板モデルだった西内と違い、能年はパッとしなかった。ブレイクしたのは女優としてだった。2013年放送のNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』ヒロインを演じて全国区に知名度が広がり、まさしく大ブレイクと言っていい状態になったが、2014年1月の時点で能年は担当マネージャーに「事務所を辞めたい」と伝えている。能年とレプロは3年契約を結んでいたが、次の契約更新をしないということだった。しかし事務所はすでに入っている仕事も多くあることなどから慰留。さらに事務所社長は能年とマンツーマンで話し合いの場をもうけたがったが、能年側は代理人を同席させるなどしなければ社長との話し合いはできないとして(当然のことだと考えられるが)関係は急激に悪化、2015年4月頃からは「能年玲奈は洗脳されている!」「洗脳ではなく事務所がブラックなだけだ!」という熾烈な報道合戦に発展した。
最終的に2016年7月をもって能年は事務所との契約を満了。以降は「のん」に改名し、個人事務所「株式会社non」を拠点に芸能活動を続けている。その後、雑誌や一部広告などのメディアで彼女の姿を見る機会はあれど、声優として主演した映画『この世界の片隅に』が大ヒットしても、民放のテレビ局で彼女の姿を見る機会はほとんどないまま現在に至っている。個展開催、歌手活動など精力的ではあるが、テレビという媒体に限っては、のんの露出は極端に少ない。そして前述のとおり、今もなお、レプロの公式webサイト上には、「能年玲奈」のプロフィールや写真などの情報が掲載されたまま削除されずにいる。レプロとしては「能年玲奈」はまだ自社の所属タレントだという感覚なのだろうか?
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