ちなみに〈信頼できるかかりつけ医〉の見つけ方は、〈その医師の著書や待合室に置いてある本が怪しくないか〉というのも判断基準。「~だけで!」「~さえすればこうなる!」みたいな論調のものや、あまりに幅広い分野の事柄について論じている人物は、NGだと思っていいようです。
「外来などでもこのようにひとりひとりにお話しているけど、まずはやはり、本(※今回復刊したシリーズ)を読んでもらうのが手っ取り早い」と宋先生&森戸先生。
ちなみに今回復刊したシリーズの初版は、2013年。その後、2016年秋にWELQ事件が起こり、ネットに蔓延するデマ、特に医学的根拠が不確かな情報等が多いという批判が殺到しました。そして復刊となった2018年の今、ネット上の育児系トンデモに何か変化はあったのかを、おふたりに伺いました。
すると、声をそろえて「デマはまだまだ多いし、なくならない」と回答。
安心して情報交換できる場を
森戸「しかし最近は多くの人の間に問題意識が芽生えているせいか、デマに対して〈炎上〉が早くなっているというのも感じています。そこから、デマを信じるかどうかで迷っている人は戻ってきやすくなってきている傾向はありますね」
宋「ネットのデマで振り回される人がいるのも事実ですが、迷っているお母さんがネット上のアドバイスで極端な育児に走らずに思いとどまった話などがあると、スマホなど、道具も使いようだと思えますね。私たちのオンラインサロンでも、お母さん同士の交流が生まれ、安心して情報交換できるコミュニティができあがっていますよ」
日々ネット情報に触れていると、トンデモに毒される可能性もある一方で、思わぬ情報に救われることもあるもの。子育てしながら〈基礎知識〉を改めて身に着けるのはなかなか難しそうですが、自分の好みはいったん横に置いておき、〈公正さ〉を意識して情報を選ぶことは心がけたいものです。と、いいながら、同シリーズから〈育児情報や安心できる小児科医の選び方〉、なんて本も出てくれないかな~なんて期待してしまったり(※もちろんその予定はないようですのであしからず)。