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最新初任給事情。「いまさら関係ない」という人もチェックしてほしい初任給ランキング

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 こんにちは! ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 4月の入社から約1カ月が経ち、今週初めてのお給料を手にする、という新入社員の方も数多くいらっしゃると思います。新入社員を眺めながら、当時を思い出して懐かしく思っている人もいることでしょう。

 ということで今回は、初任給の最新事情をお届けします。

企業の初任給ランキング2018

 初任給の最新事情といえば、まずは初任給の高い会社を紹介しないわけにはいかないでしょう。「いまさら関係ない」と思う方もいるかもしれませんが、なぜ上位企業を知っておくとよいのか、後ほど説明します。

1位:フィル・カンパニー 400,000

 2005年設立で、不動産・土地活用の印象の強い会社ですが、今年、定款(会社の基本事項が記載されたもの)の「事業活動の目的」に仮想通貨や民泊といった内容を加えたことも特徴的でした。

2位:PwC Japan 350,000
3位:アビームコンサルティング 340,300

 この2社は「コンサルティングファーム」と呼ばれる業種の企業で、華々しい経歴の方々の宝庫です。企業を相手にコンサルティングをする会社なので、仕事でのかかわりがなければ馴染みのない会社かもしれませんが、社会人としては知っておいても良いですね。

4位:北の達人コーポレーション 340,000

 健康食品・化粧品等をインターネット上で販売している会社です。店舗販売ではなく、インターネットを使う販売、いわゆる「Eコマース」に特化しており、本社は北海道札幌市です。

5位:セプテーニ・ホールディングス 336,350円

 インターネット・モバイル広告やマーケティングを得意としている会社です。

 2000社以上の初任給が掲載されていますので見てみてください。ちなみに、下位には地方の銀行が並んでいるのも印象的です。

日本経済新聞 初任給ランキング2018 最終集計

初任給の平均は? 手取りは?

 気になるのは上位企業よりも、初任給の平均金額かもしれません。厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、大学卒の初任給平均は203,400円。ランキング上位の会社とは20万円以上の差があります。

 新卒社員にとっては、「給与天引き」も初めてだと思います。天引きについては以前こちらの記事で解説をしているので、初任給をもらう前に目を通しておいてください。

 初任給の上位と平均の手取りも計算してみると……

例)東京都在住、20代独身、一般事業(農林水産・酒造・建設以外)

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 お給料の16%以上が税金と社会保険料で天引きされるので衝撃を受けるかもしれません。でも、天引きされる金額はこれだけではなく、まだまだ増えていきます。最初の年は住民税が引かれていないからです。 

 住民税は、その年の分を翌年に支払う形になっている税金です。時間差でやってくるので注意が必要です。会社によっては天引きして、事前に払ってくれますが、自宅に納付書が届き、自分で支払うというケースもあります。

 住民税はなかなかのボリュームで、所得税の約2倍。2年目も同じ給料だった場合は手取りがかなり減るので覚悟しておく必要があります。給料から約20%が天引きされるという感覚を持っておくと良いでしょう。また、40歳になると介護保険料も天引きされることになり、収入にもよりますが約2530%が天引きされると考えておいてください。

 早い段階で税金対策をしておきたい! という方は、確定拠出年金やふるさと納税で対策をするのが効果的です(年収200万円からの節税 今すぐできる「確定拠出年金」と「ふるさと納税」

初任給のニュースから考えるべきこと

 初任給のニュースの受け止め方は、他人事だったり、自分や子どもの将来を見据えるために関心を持っていたり、興味本位など、さまざまだと思います。

 お金の専門家としてのオススメの見方は、

1.上位と下位の業種から時代を読み取ること!

一昔前なら知らなかったような会社が上位に並んでいたりしませんか? 今強い業界や、昔と比べて斜陽となってきた業界を読み取ることができます。少し年上の層は、若い層に昔の考え方を押し付けないように……。

2.上位でない企業に勤めている場合は、上位の金額を見て家計の引き締めに活用すること

「上位の人達と同じような消費をしていたら、お金がピンチになるのは当たり前!」「CMやショップなど売り手側は、上位の人達にアピールしているんだ!」などと考えて家計引き締めの根拠にしましょう。

3.月給、初任給がすべてではないことを再認識する

月給が高くても、ボーナスが少ない会社も多くあります。また、初任給を含めた月給が低くても、ボーナス、退職金が多い会社もあります。お金については月給だけで判断できません。

 他人の給料は気になるものですが、高収入でも毎月ギリギリの方、キャッシングやカードローンに手を出してしまう方もいます。逆に、低収入でも工夫して少しずつお金を貯めている人もいます。初任給の情報をきっかけに、自分はどんなお金のスタイルを築いていきたいのかを今一度考えてみてくださいね。過去の話と感じる方は、自分を振り返って、これから金銭的には厳しくなるであろう若い世代に参考になる話を伝えてほしいと思います。

川部紀子

ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。社会保険労務士。1973年北海道生まれ。大手生命保険会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。自身もがんの疑いで入院する。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべく30歳でFP事務所起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年超。個人レクチャー、講演の受講者は3万人を超えた。テレビ、ラジオ等のメディア出演も多数。近著に『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方』(永岡書店)がある

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

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