5月4日放送の『ぴったんこカン・カン』(TBS系)に、女子スキージャンプ選手の高梨沙羅(21)が出演する。2018年には平昌五輪で銅メダルを獲得し、スキージャンプワールドカップで男女通じて歴代最多の55勝、女子歴代最多のシーズン個人総合優勝4回を記録。2017年にはスキー界で最も権威ある賞のひとつ「ホルメンコーレン・メダル」を受賞するなど、アスリートとして大活躍を続ける高梨沙羅だが、それに比例するように馬鹿げたバッシングが後を絶たない。
例えば高梨沙羅が愛車を公開したことに対する理不尽な批判。「若いくせにベンツに乗っているなんて……」というものだが、昨年12月に『週刊新潮』(新潮社)が2,000万円のベンツを愛車にしていると報じたことで一気に拡散。ネットで「調子に乗っている」と批判され、中には「調子に乗っている=練習をサボってる」といった拡大解釈まで現れた。
しかし、「メルセデス・ベンツ」は彼女のスポンサー企業であ流。また、彼女の愛車は「メルセデスAMG G 63」。4WDシステムを搭載したオフローダーで、大量の荷物を持って練習場へ向かうスキージャンプ選手に適したチョイスと言えるだろう。
その他、「メイクが濃くなった」「女を出して色気付いている」といったセクハラ・バッシングも続出。「男ができたか?」などと下品な言いがかりをつける、メイクをするだけで「そんなことしてないで練習しろ」との声を上げるなど、支離滅裂もいいところだ。
4月22日放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)では、好きな男性のタイプを質問され「身長が高めの人。173cm以上」と答えただけで「理想高そう」「浮ついている」などといったバッシングに発展。平成26年に厚生労働省が発表した日本人男性の平均身長は”171cm~172cm”であり、“173cm”がそこまで高身長とは思えないが、好きな男性のタイプを聞かれて無難に答えただけで批判されるのはもはや異常としか言いようがない。
それでなくても女性アスリートは妙に“純朴なイメージ”を押し付けられることが多い。フィギュアスケートの浅田真央(27)が2017年8月の「THE ICE」にて肩を出した白ドレスを着用した時には「露出しすぎ!」「真央ちゃんが変わっちゃった……」と残念がる声が続出したことも記憶に新しい。卓球の石川佳純(25)も、少しメイクしただけで「なんか違う」「色気付かないで」と散々な言われようだ。
なぜ彼女たちは、競技以外のことについて、あれこれ言われなくてはならないのだろうか。アスリートとしての彼女たちに対して、その技術や実績とは関係のないプライベートを掘る必要はないだろう。競技そのものを無視して見た目や趣味嗜好ばかりに目をやり、批判……というよりおかしな言いがかりをつける傾向はいい加減にやめるべきだ。
(ボンゾ)