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『おっさんずラブ』は笑えて泣ける完璧な正当派ラブコメディ!!

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 「俺は巨乳女子が好きだし……」と公言してきたはるたんは、上司や後輩から愛の告白を受けて戸惑うばかりではありますが、この世界には「ゲイなんてダメ」とか「ゲイになっちゃダメ」と変な発言をするような登場人物は今のところ1人もおりません。男は女を、女は男を愛し、異性に性欲を抱くのが当然だという規範を押し付けるキャラクターは、ここにはいないわけです。つまりレッテル貼りがない。ノイズがない。そのまっさらな世界観を前提に、とことん面白い台本と細かい演出、役者陣のアドリブに卓越した演技力(会話のテンポがすっごい自然!)、作りこまれた小道具なども含めたすべてが、すさまじく完成度の高いラブコメドラマを作り上げています。

 牧の心を奪われて嫉妬に燃える武川主任は、はるたんに唐突にセクハラをかまし、偶然にしては多すぎる連れションでイチモツを凝視したり、牧にもパワハラチックな当たり方をするのですが、それすらも「そうか~元カレだからなのかあ~」と伏線回収して視聴者を納得させます。田中圭と林遣都のやりとり(特に食卓の二人が最高!)もキュンキュンの連続で、かと思えば田中圭と内田理央のやりとりもキュンキュンで、もうはるたんがどのルートに着地しても変じゃない。そしてみんながはるたんに好意を抱くのもよくわかります。これでこそ主人公でしょう。

 第四話のラストシーンで、はるたんは幼馴染と恋愛に発展するのだろうと先読みした牧は「出て行きますね。僕は武川さんのところに行きます。お幸せに」と荷物をまとめて去ろうとするのですが、はるたんは思わず牧に抱きついて引き止めます。バックハグです。武川さんの未練を利用しようとした牧ってばズルイぞ! 自分の気持ちがどこにあるのか全然自覚できないはるたんはもどかしすぎるぞ! この二人、どうなっちゃうの~!

 次回、第五話では、はるたんと牧が正式に付き合いはじめるものの、しかし妻に「はるたんは死んでもゲットしなさいよ~(にっこり)」とエールを送られた武蔵も再び「ちょっと待ったあああ!」で参戦して混戦状態が続く模様です。

 発売中の「週刊女性」(主婦と生活社)が、はるたん・武蔵・牧の鼎談を掲載しているのですが、田中圭は<男女でもいい話を男同士で演じているけど、人が人を好きになることに性別や年齢は関係ないと思います><人が人を好きになることに真剣に向き合って表現しようと思い、特にラブシーンは真剣に演じています>と語っており、そうなんだよぉぉぉぉぉ~~~~~と激しく首を縦振りせずにいられませんでした。綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、まさにその通りなんです。吉田さんが<根底に流れているのは純愛><純愛の部分がいちばん大事>と相槌を打てば、林さんも監督との打ち合わせで<恋愛ドラマとしてちゃんと成立する方向性が見えて、納得できました>と繋ぎます。だからこれは正当派ラブコメ。“一風変わった”とかの枕詞は正直、不要だと思います。だって見ていると本当に面白くてせつないラブ・コメディ・ドラマだから。

 きっとそのうちはるたんのお母さんも帰ってきて牧との同棲は解消するのでしょうし、簡単にハッピーエンドになるとは予想できないのですが、違和感の強い着地点にはならないはず、という信頼を持って見続けることができるすごいドラマです。ちなみに吉田鋼太郎さんは5月15日に開幕(30日まで上演)した日生劇場での舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』の稽古と並行して連続ドラマの撮影をしてきて、今もまだ舞台と撮影を同時進行しているはず。すごすぎるお人であります。

(hin-nu)

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