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冨永愛が仕事を止め育児に専念していた三年間 仕事に逃げていた日々と家庭回帰を明かす

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 同書には、冨永が貧しく複雑な家庭環境で育ち、疎外感を抱きながら子供時代を過ごしていたことも語られている。長男の言葉を聞き<自分の成功とは裏腹に、わたしは結局何もわかっていなかった><お金より、仕事より、大切なものがある><わたしは息子に、幼いころのわたし以上につらい想いをさせてしまった><このままではたいへんなことになる>と危機感を募らせた冨永は、<母と息子の日常を基本にした暮らしに、生活のすべてを変えた>。毎朝5時半に起床して長男と共に<坂道ダッシュ>するなど、長男との時間を大切にし、長男の心と向き合うようにした。家族ぐるみで親交のある長渕剛の助言に救われた部分も大きかったようだ。一方で当時、冨永は長渕との親密な師弟関係から“不倫疑惑”を「週刊文春」(文藝春秋)の記事によって突きつけられ、そうした誤解を受けることでの苦悩もあったことだろう。『ノンストップ』ではそれについては触れられなかった。

 これはあくまで憶測に過ぎないが、もし仮に、冨永と長男との間で愛着形成が不十分な状態だったのであれば、冨永が休業して長男と「一緒に」に過ごすことはとても意義があったのだろう。長渕剛の提唱した「坂道ダッシュ」も効果があったのかもしれない。ただ、親が仕事で不在がち、親より祖父母と過ごす時間が長い、という子供は今も昔も珍しくはないだろうし、小学生・中学生ともなれば自分の世界を持ち、親不在の時間を楽しむ子供もいるだろう。冨永は(もちろん大いに葛藤したことは疑いようもないが)仕事を休業しても生活基盤が著しく乱れない程度の経済力があり、また復帰する場所もあった。しかし多くのシングル親子家庭ではそうもいかず、仕事と育児の板挟みになり引き裂かれるような思いでいる片親は少なくないのではないか。そうした一般家庭に目をやるまでもなく、家庭という場ありきの仕事だということを職場の側も認識し、労働者に仕事一辺倒の働き方を求めないという労働観のシフトが必要であることは間違いない。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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