シェアハウスに入居。交通費削減のためにクラウドファンディングで自転車購入費用ゲット
明確な理念を持ち、希望と夢はたくさんあるが拠点がない――彼女が選んだのは、シェアハウス・リバ邸への入居だった。
リバ邸とは、「現代の駆け込み寺」をコンセプトにしたシェアハウスだ。世の中の枠組みや空気を息苦しく感じる人たちが集まり、さまざまな夢を持つ住人が集っている。働き方・生き方を模索中の彼女にとって居心地の良い場所だ。
ユニークな仲間に囲まれた東京での生活は刺激的だが、彼女にとっては初めての上京生活。今まで実家で生活していたため、想像以上にお金がかかることには驚いたという。ただ、アルバイトはしているが、生活費はまだしも、靴サロンのための活動資金不足は否めない。資金不足を解消するために、菜絵が選んだ手段は、SNS上(@nae_soccer2)での支援の呼びかけだった。「初任給ください。もらいそびれたので」と支援を求め、銀行口座を晒した。
すると「働かずにお金だけせびっている」と解釈する人に批判されたり、古い付き合いの友人からも嫌悪感を示され「働いている時の菜絵が好きだった」と直接非難されることも少なくないという。だが、彼女はなんと言われても自分の生き方を変えるつもりはない。
「いろんな働き方、お金の稼ぎ方が可能な時代だから、どんな方法があるのか実験を重ねていきたいんです」
実際に彼女の支援者は多い。「東京での地味に痛い交通費削減と、東京をもっと知るためにかっこいい自転車が欲しいです!」とSNSで呼びかけた時には、すぐに3万円の支援が集まったそうだ。
ギリギリでも頑張れるのは、帰る場所があるから
菜絵が情熱を注いでいることは靴以外にもあった。大阪にあるビーチサッカーチームのマネージャーをしており、広報やカメラマンとして活動しているのだ。ギリギリの資金をやりくりし、マネージャー業務のためにたびたび大阪に戻っている。
「目指すのは全国1位。ビーチサッカーの知名度を上げるのも目標です」
「家族はみんな優しいから頼ったらお金を援助してくれるのはわかっているけど、これ以上親に甘えたくない。まずは自己責任でやれるところまでやりたいんです」
両親や大阪での友人たちは、彼女のことを心配しつつ「いつでも帰ってきていいねんで」と遠くから見守ってくれているという。
「靴サロンは半年後にはスタートしたいです。靴職人も、靴が好きな人も最高にワクワクできる靴に出会える仕組みを、私が作ります!」
1 2