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『モンテクリスト伯』高橋克典が怪演! 復讐バイオレンスは最終回へ向け一気に加速

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『モンテクリスト伯』Instagramより

『モンテクリスト伯』Instagramより

 木曜22時枠の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯華麗なる復讐』(フジテレビ系)第8話が66日に放送された。評判の良さとは裏腹に前回も視聴率は振るわなかった。前回の第7話は5.9%と、前々回よりも0.1%下がってしまった。なぜ〜!? 特に前回は幸男がボロボロに追い詰められていく最高の回だったではないか。日本の七不思議である。

▼前回までのあらすじはこちら

 

なぜ毒を盛ったのか?

 田舎の純朴な漁師なのにテロ組織のスパイ容疑をかけられ、無実の罪で異国に送られ投獄された柴門暖(ディーン・フジオカ)。幸運なことに脱獄に成功したうえ莫大な富を得、投資家モンテ・クリスト・真海(しんかい)として日本に現れ、自分を陥れた三人の男への復讐を開始した。復讐相手は親友だった南条幸男(大倉忠義)、先輩漁師の神楽清(新井浩文)、そして警視庁公安部の刑事・入間公平(高橋克典)。第7話で幸男への復讐は完遂した……はずだった。しかし第8話はいきなり真海がご乱心だ。というのもなんと、というかやはり、首を吊った幸男を、彼に深い恨みを持っているはずの江田愛梨(桜井ユキ)が助けていたのである。

 怒り心頭の真海だが、彼も色々忙しい。今回、入間家の一大事に首を突っ込むことになるのだ。

 入間家では13年前に入間の元妻が娘の未蘭(岸井ゆきの)を残して急死した。実は毒殺であり、犯人は入間の後妻・瑛理奈(山口紗弥加)。公安刑事の入間はその事実に気づいていないようだが、なんと真海は見抜いていた。そして瑛理奈は今まさに、未蘭と祖父で元投資家の貞吉(伊武雅刀)を殺害し、遺産を独占しようという計画を実行に移そうとしている。未蘭の祖父であり今や寝たきりで話すこともできない貞吉に計画を明かすサイコパス・瑛理奈。山口紗弥加の熱演が光る。稲森いずみや山本美月もだが、このドラマの女性陣は素晴らしい輝きを見せている。

 入間自身はそんなこととはつゆ知らず、神楽から「幸男の自殺と寺角(渋川清彦)の不審な死に真海が絡んでいる」「真海は暖であり、復讐をしている。自分と入間が次のターゲットである」と確信を持って伝えられてテンションがちょっと上がっていた。神楽、さすが漁師の勘は鋭い。警視総監の座が近い入間と、大型取引を成功させたい神楽の思惑は一致していた。ふたりは真海が暖であると理解し再び社会から葬ることを決意。しかしやっぱり、真海の方がまだ一枚上手だった。

 入間は取調室に真海を呼び出し、お前の正体は暖であるとの疑いを持っており、ラデル共和国へ送り返すと宣言。しかし真海は疑惑を否定し「自分はファリアの息子だ」と主張、この対決は真海の勝ちとなった。臍を噬む入間の元へ真海宅のDNA鑑定の結果が届けられる。死体として発見された寺角の死に真海が関わっているか明らかにするため調べていたのだ。だが、DNA鑑定によれば犯人は真海ではなく、詐欺師で前科のある安堂完治(葉山奨之)。安堂は、かつて入間の愛人が産み、入間が葬ったつもりの息子だ。もちろん入間はそのことを知らないが、この事実は真海の一つの切り札だった。

 改めて真海と暖の指紋が完全一致するとわかり、意気揚々と真海の邸宅を訪れた入間は、逆に暖からこの事実を聞かされて愕然。もう完全に暖、というか真海の勝ちである。憤慨しながら指紋鑑定の書類を燃やす入間の、つまり高橋克典の悔しそうな芝居は必見だった。

 まだまだ真海は忙しい。同日、瑛理奈が未蘭を毒殺する予定であることを知っていた真海は、未蘭の恋人である守尾信一朗(高杉真宙)に接触し、薬の小瓶を渡す。未蘭が殺されそうになったら飲ませるよう言われ、半信半疑の信一郎。その頃、入間宅では毒殺魔がテンション最高潮で信一朗を迎える準備をしていた。毒入りグラスにレモネードを注ぎ未蘭に一口飲ませると、未蘭は信一朗を迎え入れたところで倒れてしまった。だが、この時点ではまだ深刻な容態ではなく、毒がどれだけ盛られたのかわからない。心配になった信一朗は、真海からもらった液体のことを思い出し、漢方だと嘘をついて未蘭に飲ませた。すると未蘭は唐突に鼻血をたらしばたりと倒れてしまう……。えっ、なんで? 真海さん、なんで〜〜〜〜????

 病院に運ばれた未蘭は予断を許さない状況にあり、助かっても後遺症が残ると医師に告げられ放心状態の入間。さらに医師は「前の奥さんが亡くなった時と同じ状況であり、誰かが毒を飲ませたと考えられる」とのズバリな推測をかまし、警視庁幹部の自分の家で殺人事件があったなんて認めるわけにいかない入間はもうどうしたらいいのかわからない。今回の入間はなかなかに踏んだり蹴ったりだ。そこへ罪の意識に苛まれどうにもならなくなった信一朗が飛んで入ってくる。未蘭に毒を飲ませたのは自分だ、毒だとは知らなかった、毒は真海に渡された、と白状する信一朗。正直、未蘭と信一朗が一番かわいそう……。真海の目的は何なのか? 視聴者もどうしたらいいかわからない。ただただ、真海が復讐を無事遂げられるよう応援上映ばりに「真海さーん、頑張れ〜!」とテレビの前でエールを送ってきたのに……。

神楽は肉体的に…

 入間家を崩壊させると同時に、もう一人の復讐対象である神楽のことも、真海は抜かりなく追い詰めている。神楽はなんと、腹心だったはずの秘書・牛山直紀(久保田悠来)に裏切られて頭突きをかまされ、武闘派の闇金男たちにも襲われて流血したまま倉庫に監禁されてしまう。おそらくこれも、真海が彼らを買収したのだろう。牛山は神楽の味方だと思っていたのに……「えっ! そっち側⁉」という本性が現れる瞬間はこのドラマの見所のひとつだ。

 神楽は妻・留美に対する愛情も執着もなく、子供もおらず、金以外に興味のないゲスな守銭奴だ。幸男は妻と娘、入間は地位と娘という大切なものがあるゆえ、真海はそれを利用して追い詰める方向性だったが、神楽に関してはただただ肉体的に痛めつける復讐を実行するようだ。もちろんマルサに通報して大切な金も奪うから抜かりない。あっさりと復讐劇のコマを進められてしまう哀れな神楽は見応えバッチリ。

 他方、幸男は死にかけていたわりに素早く蘇生。「俺を殺したいんだろ!」とすみれに詰め寄る。うーん、幸男は一切何にも反省していないんだな。そりゃ真海もコイツを許しようがない。

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 次回、ついに最終回。なななんと、驚きの2時間スペシャルだというから楽しみで仕方がない。正直、ドラマの中で未蘭と信一朗だけが、画面に出ていてホッとする2人なので、なんとか未蘭が回復してこの恋がうまくいってほしいと願うばかりだ。

 しかしこのドラマは演出が素晴らしいのだろう、どの役者もこれまでにない怪演を見せており、一瞬でも目を離したくない。今回でいえば、高橋克典の悔しがる演技が本当に最高。亡くなった大杉漣さんを彷彿させる存在感で、高橋克典が今後さらに渋い役者になるだろうことを予感させた。また、今回は貞吉の目力の凄さが特に印象に残った。あまりに目力が強すぎて、何か切実に訴えたいことがあると100%伝わる。伊武雅刀、いぶし銀。

 果たして真海は、復讐を達成できるのだろうか。すでに幸男は俳優としての地位を失い、愛する妻の信頼もなくしたが、命だけはまだ残っている。神楽は殺されるのかもしれない。入間家はまもなく崩壊し、入間は警察官僚から失脚するだろう。でも、真海の目的地がどこなのかはわからない。何をもって復讐が完了するのか。やはり、死なのだろうか。「真海さーん、頑張れ〜!」

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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