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相席スタート山崎ケイ「セクハラはコミュニケーション不足」「女性が男性に歩み寄って」と持論

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 611日放送の『芸人先生』(NHK Eテレ)で、男女コンビのお笑い芸人・相席スタートがセクハラについて“講義”をした。相席スタートの2人は、株式会社東洋水産に出向き、セクハラが起きる原因やセクハラが起きないための男女のコミュニケーション術などを語った。

 山崎ケイは「良かれと思ってやってる側と、『それは嫌なのにな』と思ってる側との差ができてしまうことが問題。(セクハラの中には)下心がなく、良かれと思ってやってる部分もあると思うんです」と、加害者側に悪気がないにもかかわらず「セクハラされた」と被害感情を抱かせてしまうケースは少なくないことを主張。

 続けて、セクハラの原因は「関係性が成立していないからだと思うんです」と社員間のコミュニケーション不足を問題にした。適切な関係性が築けていないと、男性社員から「髪切ったの?」と声をかけられただけで、「大して親しくないのに馴れ馴れしい」「セクハラじゃん」と考えてしまう女性社員がいるからだという。

 そして、相席スタートは男女間のコミュニケーションを活性化するため、2つの提案をする。1つ目は、「まずは女性から男性にちょっとでも良いから、歩み寄っていただきたい」ということだった。「セクハラだ」と言われることを恐れ、女性社員に声をかけられない男性社員は多いそうで、そのため女性側からコミュニケーションを取るよう心がけてほしいとのことだ。

 2つ目は、男性社員が女性社員に対して「ちょどいい距離感」を意識するように、ということだ。女性目線を意識して接すれば、女性社員と良好なコミュニケーションが取れ、ちょうどいい距離感が築けるのではないか、というのが山崎の主張だ。

 山崎は「なんでもセクハラセクハラっていうのも、本当に面白くなくなってきちゃう。女性側も歩み寄って、男性側も歩み寄ってきたのを汲み取るという風になったら良いなと思います」と締めた。

対等な関係でないところで深刻なハラスメントが起きる

 コミュニケーション不足が解消されれば、セクハラの予防になるかもしれない。ただ、セクハラが全部「男女のすれ違い」や「勘違い」というわけではない。

 セクハラやパワハラ、スクールハラスメントなどにしても、権力の強い者から弱い者へと暴言・暴力をふるう構造があり、被害者がその被害を訴えづらいケースも多いことに目を向けなければならない。そして男女雇用機会均等法が施行されて32年もの歳月が流れたが、未だに日本の政治・経済の分野で上層部を占めるのは男性がほとんどという偏りがある。結果的に、セクハラは“男性=加害者/女性=被害者”という構図がほとんどになる。

 セクハラを指摘されて「嫌なら直接言ってくれればいいのに……」と不満に思ってしまうとしたら、それは相手との権力格差に無自覚であり、自分の持つパワーに鈍感すぎる。対等な関係ではないところで深刻なハラスメントが起きるのだ。直接「やめろ」と抗議されたとき、権力側は力を利用して相手を不利な立場に追いやるなど卑怯なマネをする可能性もある。そうした反応が容易に予想できるからこそ、被害者が相談できる第三者機関が必要なのだ。

 まずは、自分が新入社員でもない限り、先輩・上司・管理職といった自身の権力や地位が他の社員にどれだけの影響力を与え、萎縮させてしまうかを理解することが、セクハラを予防するために大切なことだ。また、セクハラ被害に遭ったときに泣き寝入りしないため、ボイスレコーダーの携帯や、セクハラされた時の状況をメモするなど、被害時の対応も広く共有しておきたい。

宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

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