ネット上にも〈桶谷式〉のアレな評判は多々あり、それらを目にするたびに、母乳育児の周りに漂う〈手間暇かける、ていねいな育児こそが愛情〉という呪いの存在を実感します。
「民間療法的なものに頼るからそうなるのでは?」という疑問もありますが、一般的な乳腺炎の治療は抗生剤を使うため、医師によっては一時的に授乳を禁止される場合も。それを避けようとすると、母乳マッサージの有名どころ=桶谷という流れになりがちだという話でした。Oさんも「桶谷以外に、もっと気軽に行かれる母乳相談室があればいいのに」と、こぼしています。
時代に合わせた、母乳指導を!
O「その手の情報を集めたいと思ったとき、失礼ながらとにかく役に立たないのが区の保健師なんですよね。評判のいい母乳マッサージを教えてくれと言っても、『ここがいいとか勧められないんです』とか、やたら遠い場所の施設をアナウンスされたり。子どもの発語が遅いことを相談したときも、『片言で話してください』ですって。ワンワンとかブーブーとか、赤ちゃん言葉を交えてとかならまだ理解できますが、片言って~!?」
〈区の保健師の情報が微妙問題〉は、実は私も激しく同意。わが家の場合は「ここの保育園ならお母さんがフリーランスでも預かってくれますよ!※※」と保健師に教えられた認可外保育園を見学してみると、大家族番組で見かけるカオスな情景をさらに煮詰めたような環境劣悪保育園。二度と保健師にアドバイスを求めるまい……と固く誓いました。
※※特に認可保育園の場合、在宅仕事のフリーランスは入園選考で不利になるケースが多い。
母乳トラブルは一過性で専門家も少なく、情報も偏ったものになりがちです。試行錯誤した結果を世のお母さんのために! というお気持ちは素晴らしいのですが、その情熱を「現代に合わせてアップデート」することにも傾けてほしいと思った体験談でありました。