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2018FIFAワールドカップ ロシア大会で、日本代表が得た賞金金額は?

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Thinstock/Photo by AlessandroPhoto

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 2018FIFAワールドカップ ロシア大会で、日本は72日、ロストフ・アリーナで行われた決勝トーナメント1回戦、ベルギーに23で敗れた。前半はスコアレスドロー、後半に一時は20と勝ち越していたが追いつかれ、試合終了間際にも失点した。W杯で、日本代表がグループリーグを勝ち抜き、ベスト16に進出したのは2大会ぶり3度目である。悲願のベスト8進出は次の大会へ持ち越された。

ロシアW杯の分配金は過去最高となる約900億円

 W杯は世界最大規模のスポーツイベントである。開催地を始めとして、スポンサーやテレビの放映権などで巨額のお金が動いている。もちろん、出場国にも賞金が支払われる。FIFA(国際サッカー連盟)の発表によれば、今回のロシアW杯では過去最高となる79100万ドル(約900億円)を分配金に設定しているという。79100万ドルのうち、およそ半分の4億ドル(約455億円)が、各出場国チームの成績に応じた賞金に当てられる。

 4億ドルの賞金内訳は次のとおりである。優勝チームが3800万ドル(約43億円)、準優勝チームが2800万ドル(約32億円)、3位のチームが2400万ドル(約27億円)、4位のチームが2200万ドル(約24億円)となっている。また、準々決勝で敗退したベスト8のチームには1600万ドル(約17億円)、決勝トーナメントの第1戦で敗退したベスト16のチームには1200万ドル(約13億円)、グループステージで敗退したチームにも800万ドル(約9億円)が支払われる。

ベスト16の日本代表の賞金は約13億円、それ以外に配当されるお金は?

 628日、日本はグループリーグの最終戦にポーランドと対戦した。試合には01と負け、日本の勝ち点は41勝1分1敗)となった。日本はセネガルに勝ち点、得失点差で並んだが、フェアプレーポイントの差でグループH2位となり、決勝トーナメントに進んだ。もし、グループリーグで日本が消えていれば、ベスト16の賞金1200万ドルは受け取れず、グループステージ敗退の800万ドルになっていた。

 また、賞金とは別に、参加した全チームにW杯への準備金として150万ドル(約16000万円)が支払われている。つまり、ベスト16で敗退した日本代表チームは150+1200万ドルを手にしたことになる。これらの賞金はFIFAから参加国のサッカー協会などに支払われるものだ。日本であれば、JFA(日本サッカー協会)がそれに当たる。W杯に出場した選手たちが、そのままの額を受け取るわけではない。あくまでも、W杯の賞金を受け取るのはJFAだ。当たり前のことだが、出場にあたってはスタッフの人件費をはじめとした経費がかかっている。実際に試合をした選手たちにはJFAから、日当やボーナスが支払われている。

 2011年にJFAが公表した「日本代表選手ペイメント規定」は次のとおりである。勝利ボーナスは、大会のランクにより金額が異なっている。W杯の場合、最高のSランクに指定されており、勝利ボーナスは200万円(引き分けは半額)。最終成績によって、大会ボーナスも設定されている。たとえば、W杯で優勝すると5000万円、今回のベスト16では600万円である。また、これらのボーナスとは別に、11万円の日当が支払われるようだ。

選手個人が手にする総額はいくら?

 今回のW杯は、グループリーグと決勝トーナメントを合わせて11分けだったので、勝利ボーナスは200+100万円。それにベスト16の大会ボーナス600万円と日当を加えると、おおよそであるが、ロシアW杯で日本代表の選手が受け取る金額は1000万円程度と考えられる。

 日本代表に選ばれた選手たちは、日本国籍をもつサッカー選手の中でも選りすぐりのプロである。プロは結果を残してナンボの世界に身をおいている。たとえば、ロシアW杯で日本の10番を背負った香川真司。昨年、所属するドルトムントとの契約を20206月まで延長したと発表した。推定年俸は500万ユーロ(約64000万円)。スポンサー収入などを合わせると、それ以上の年収を得ることは確実だろう。

 もし、初戦でコロンビアに負けていれば、選手たちは勝利ボーナスを手にすることができなかった。もし、グループリーグで敗退していれば、ベスト16の大会ボーナスが発生することもなかった。W杯に出場した選手が受け取る収入が、例に挙げた香川真司の年俸からすれば、限りなくゼロに近い金額に終わってしまう可能性があったのだ。華やかなW杯であるが、金銭面だけを見れば、選手たちはとてもシビアな環境におかれていた。

 以前、NHKの対談番組で、元サッカー日本代表の城彰二が日本代表の日当やボーナスについて語っていたことがある。城彰二は、ロシアW杯で日本代表監督をつとめた西野朗が1996年アトランタオリンピックで、ブラジルを相手に、いわゆる「マイアミの奇跡」を起こしたときのメンバーだ。城彰二が日本代表に選ばれていたのは1995年から2001年。その当時を振り返って、城彰二は「(お金は)儲からないです。僕たちの時代は海外遠征にでると日当5000円から1万円。試合に勝てば10万円、引き分けで5万円、負けると0円という条件でやってたので、Jリーグで出たほうがお金にはなる」と答えている。ただし、城彰二は、日本代表に選ばれることが「名誉」であることを強調していた。「お金ではない」ものだと。同番組では元サッカー日本代表の前園真聖もそれに同意している。

「お金」でも「名誉」でもない、ワールドカップという憧れの舞台

 W杯は、全世界でサッカーボールを蹴る少年少女たちの憧れだ。たとえ、一流のプレイヤーになったとしても、その気持ちに変わりはないのではないか。ロシアW杯に出場している各国の選手たちの懸命なプレーを見ていると、そんな思いは確信へと近づいてくる。「お金」よりも、もしかしたら「名誉」よりも、純粋な興奮がそこにあるのかもしれない。

 2018FIFAワールドカップ ロシア大会は、715日(現地時間)の決勝で閉幕する。優勝トロフィーを掲げられるのは、たった1チームだ。ベスト16に終わった日本代表の次のチャンスは、4年後の2022年。開催地はカタールが予定されている。おそらく、日本代表はベスト8以上を目標にするだろう。次期日本代表の監督が誰になるのか? などの話も早々に取り沙汰されている。いつかサムライブルーが優勝トロフィーを手にする日が来てほしいものである。

あっしゅ

フリーライター。京都生まれの京都育ちで京都から離れられない♂。音楽と言葉が大好物。憧れの人物はアインシュタインとエルキュール・ポアロとアンディ・ウォーホル。パンダも好き。

twitter:@吉川 敦(ash)

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