社会

「さようなら」だけで警戒。挨拶が「声かけ事案」になるのはなぜか

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 こうした性犯罪等の前兆となる声かけなどを取り締まるため、平成21年に子供女性安全対策班が警視庁や都道府県警察本部に設置され、また「警視庁管内不審者情報」のように、不審者情報を発信している警察署は全国各地にある。

 実際に「警視庁管内不審者情報」(特別区)を見てみた(3月19日17時時点)。すると、「裸の写真を見せられる」「体を触れられる」「家に来るよう誘われる」「セックスしない?と声を掛ける」「お尻を触られる」「写真を撮られる」「つきまとわれる」といった明らかな犯罪行為や、その前兆となる事案が多いことがわかる。

 また注意事項には、「掲載している不審者情報は、都内で発生したすべてのものを掲載しているわけではありません」「不審者情報の中には、単に道をたずねたり、善意で声をかけたりした行為などが含まれている可能性があります」とあるように、少なくとも警視庁は、それが「善意」である可能性も踏まえた上で、フィルタリングを行い、不審者情報を掲載している(ちなみに利用規約を確認したところ、「メールけいしちょう」も、事案・事件をすべて配信しているわけではない。http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetuzuki/mail/pdf/use_policy.pdf )。

 つまり、たとえ不審者情報に「さようなら」としか記述がない場合にも、掲載されるに足る理由があると判断されたということだ。例えば、普段からその地域で不審者が目撃されており、その特徴と類似していたのかもしれない。あるいは、性的な発言など子供が何らかの不信感を覚えるような言動があったものの、子供がそれをうまく言語化できなかったのかもしれない。大人から見れば当然の行為でも、子供が恐怖を感じる行為だってあろう。

 都内における年少者(13歳未満)に対する性犯罪は、約78%が午後2時から午後7時までに発生している( http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no1/koramu/koramu8.htm )。そして都内において発生した声掛け事案は、8時と15時~17時台に集中して発生している( http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/honbun/pdf/19p00400.pdf )。登下校時に性犯罪が起きるリスクがそれだけ高いということだ。

 中には非常に微妙なケースもあるのだろうし、ただの「善意」の場合もあるだろう。だが、それのみに注目をして、「子供に挨拶もできない」「迷子も助けてあげられない」と騒ぎ立てるのではなく、こうした事案が起きないためになにをすべきかを考えることが、大人の責務なのではないか。
(スノプラ男)

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