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稲垣吾郎と「ヒロくん」の関係性を世にも奇妙な物語に演出するテレビの罪

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男好きの男は変な生きもの?

 『中居正広のISORO』は、タイトル通り、MCをSMAPの中居正広(42)が務め、アシスタントとして高島彩(36)が出演、稲垣はゲストとして参加。3人がスタジオで、稲垣&ヒロくんの休日を撮影したVTRを見ながらトークする場面がメインだった。最終的には、ヒロくんご本人とその奥様(元タカラジェンヌ)も登場する。

 VTRでヒロくんはサングラス状のモザイクをかけた状態。ロマンスグレーの豊かな髪を持ち、服装や佇まいだけでも清潔感ある裕福な50代男性であることがわかる。ヒロくんは東京都内の広い庭園を有する400坪の邸宅に住んでいる。プールつきの豪邸に稲垣と撮影スタッフがお邪魔し、自家製の燻製でワインを嗜んだり、2人が頻繁に訪れるという長野の土地へ同行したり。稲垣がどのような休日を過ごしているのか、SMAPメンバーの中居も全く知らなかったそうだが、VTRを見る限りでは、ヒロくんとイチゴ狩りをしたり、長野の友人たちと談笑し野菜の収穫をしたり、絶景スポットで沈む夕日に感動したりと、非常に充実したプライベートを過ごしている。

 ヒロくんは週に2回ほど稲垣の自宅マンションに泊まりに来るそうで、稲垣とヒロくんが同じベッドで寝たこともあるし、一緒に風呂に入ることもある。そう聞くと中居は「信じられない!!」という反応を示し、高島も苦笑を浮かべていた。だが、家庭用のさほど広くないサイズの浴槽ならば成人男性2名で入るのは窮屈で違和感が強いかもしれないが、温泉や銭湯に同性の友人同士で入浴すること自体は一般的だろう。稲垣はそういう意味で「お風呂も全然一緒に入れる」と言っているようなのだが、番組の演出意図は一貫して「オジサン同士の異常な愛情」を見せようとしている。

 番組ではやたらと稲垣・ヒロくんの関係を「アヤしい」ように見せる演出に凝っていた。冒頭では「稲垣と50代男性との同性愛疑惑」などと紹介していた。数年前、稲垣が引っ越すことになり新居を決める際に、ヒロくんと一緒に物件探しをしたり、必要な家具や日用品も2人で買いに行ったというくだりでは、「こうしてはじまった2人の同棲生活」「男同士の妖しい関係」と、テロップで煽る。

 ヒロくんは「妻子がいるのに40代の美男子と遊ぶ変な50代男」で、稲垣を「モテるはずなのに結婚もせず中年男性に心酔している変な男」。わざわざ2人を“変な人”枠に当てはめようとし、ごく自然な友人関係を世にも奇妙な物語に仕立てあげているのである。

 彼らは自らが同性愛者か否かを明確にしていないし、性行為の有無についてなど勿論話さない。言う必要はないのだ。しかし彼らが何も言わずとも、これでは番組が「男を好きな男なんて、おかしいよね」との偏見・差別をまき散らしているのと同じである。中居の態度も完全に「ゲイフォビア」の代表的なノリだ。スタッフにポンカンを剥いてあげた稲垣に対しての「手ェ洗ってんのか?」と言うツッコミに関しては、潔癖症を自称する中居らしくて良かったが。

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