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稲垣吾郎と「ヒロくん」の関係性を世にも奇妙な物語に演出するテレビの罪

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セックスにこだわる人たち

 稲垣とヒロくんを撮影したVTR自体は面白い内容だった。稲垣はヒロくんのことを敬愛しており、「大好き」という気持ちを自然に口にするのだが、それ自体をも「そんなこと言うのおかしいよ!」と否定する中居たちに、「大好きな人には大好きって言ったほうがいいじゃない、言えるとすごく気持ちいい。絆ってそういうことでしょ」とさも当たり前のように語れる稲垣に恐れ入った。偏見まみれのマチズモ世界で、彼は、自分を見失わず真っ当に、そして実にしなやかに生きているのだと思った。

 少し年の離れた友人と親密な関係を築く。それ自体は何らおかしなことではない。それなのに、「恋愛」「家族」以外の関係性で親密な者同士を見ると、途端に動揺してしまうのはなぜだろう。大人間では、ビジネスでも血縁でもなく性交渉ナシの関係が一切成立しないというのだろうか? あるいは、性的魅力に惹かれ合う形でしか大人は人間関係を築けないということだろうか。よく考えるまでもなく、親密さを恋愛感情の表出にのみ結びつけることはおかしいと気付くだろう。

 ヒロくんは裕福な家庭に生まれ育ったお坊ちゃまで、教養があって博識で、美しいものや美味しいものにこだわって、良い体験をするために時間もお金も惜しまない。傍から見てもカッコいいおじさんである。稲垣が彼と時間を共にするようになって、豊かな日々を享受していることを祝福できる。この2人の関係を、同性愛だと揶揄するのはそれこそ自らの人間関係の貧困を露呈するようなものではないだろうか。
(清水美早紀)

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