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保育所増設進むも…待機児童解消計画の課題

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闇雲に増設するだけでは不安残る

 東京新聞が認可保育園のみを対象としている理由は誌面上で確認できませんでしたが、おそらく認可外保育施設に比べて保育料が低いことで保護者の高いニーズがあるためでしょう。また、それぞれの区の取り組み姿勢が見えやすいためかもしれません。

 ちなみに23区で入所できない子供の割合が最も減少したのは港区。2013年調査では60%でしたが、9%にまで改善しているとのことです。港区には認可保育園が、区立で18、私立で22あります。東京新聞によるとこの2年で20カ所が新設されているようですから、倍増していることになります。港区は多くの法人が拠点を置く街であり、予算が潤沢であるためにこういった方策を打ち出せているのかもしれません。

 また港区は来年度より、認可保育所および認証保育所において、第2子以降の保育料が無料になることが決められています。ただし、保育料の上限額がおよそ1万7000円引き上げられるため、各保育所の料金設定次第ですが、平均額は上がってしまう可能性も考えられます。

 さて、「入園希望者(子)」の数に対して、施設そのものの数が足りていないために「待機児童問題」が勃発しているわけですが、施設や保育サービスを増やせば万事解決かというとそうではありません。既存の保育施設を増築したり定員数を増やしたり、新設したりとなれば、当然、職員数も増やすことになり、保育士の確保が必要になります。ところが近年たびたび話題にあがるように、保育士の労働環境は非常に厳しいものがあります。そのため、保育士資格の所持者であっても、保育の仕事に就いていない潜在保育士が60万人に上るとする資料もあります。2013年6月に出版された『ルポ 産ませない社会』(小林美希/河出書房新社)でも、認定こども園でパート保育士として働く子持ち女性の体験談を通して、改善すべき労働環境が提示されています。

 少子化対策が急務とされるいま、待機児童解消のためには、保育所の新設だけでなく、保育士の労働環境を改善するなど、まだまだ課題が山積されているようです。
(門田ゲッツ)

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