社会

少なすぎる女性議員数、原因は「女性の性質」「個人の資質」ではない

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議員になるのはリスキー?

 さて該当記事では、今後、女性議員を増やすために、政党が女性議員を育てる仕組みを構築すること、そして女性議員がアマチュア精神から脱却することを提案している。また、女性は組織の中で仕事をした経験に乏しいために、政党や組織を敬遠する傾向にあると言い、それを乗り越えて政治の中に入るためにも、全国規模で女性の力を結集し、戦略的に行動することを求めている。

 こうした動きはもちろん必要だろう。ただ、そのためにまず整えなくてはいけない環境もある。

 自治体議員であれ、国会議員であれ、落選すれば失職することになる。地盤(組織)、看板(知名度)、カバン(資金)という三バンがなければ当選は難しいという。これら三バンを備え持つ大物議員や地方議員は落選後も、縁のある業界に入るなどして収入を確保することはできるのだろう。しかし、例えば若手議員が落選した場合、資金調達ができなければ再立候補を諦めざるを得ないだろうし(国会であれば供託金は300万以上)、若手といっても30歳以上がほとんどで、再就職の難しい年齢に達している可能性が高い。誰もが杉村太蔵元議員のようにはなれないのだ。

 また2014年6月に、塩村あやか都議が鈴木章浩都議から受けた「早く結婚したほうがいいんじゃないか」という野次も思い出して欲しい。その後の報道で、都議会だけでなく全国各地の議会で、同種の野次があったことが確認されている。議会の場ですら、いまだ女性差別は消えていないのが現状だ。

 政治の中に入るために乗り越えなくてはいけない問題は、女性の中にあるのではなく、そうした状況に陥らせている社会、つまり女性の外側にもあるのではないか。この社会を変えるために、女性議員を増やしていく必要があるのだとしたら、このジレンマを解消するためには、複数の問題を同時に進めていく行動が求められているように思う。
(水谷ヨウ)

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