おばあちゃんにはおばあちゃんの生活がある。祖母の一歳児殺害に見る家庭内育児の問題

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Photo by BrownZelip from Flickr

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 3月20日、埼玉県で1歳3カ月の男児が殺害される事件があった。容疑者として逮捕されたのは、男児の祖母である。同日14~16時頃、自宅マンション内で、男児の腹部を包丁で刺した疑い。調べに対し、「間違いありません」と話しているという。

 容疑者(=祖母)は夫(=祖父)、長女(=娘)、孫の4人暮らし。事件のあった時、自宅には祖母と孫が2人きりだったという。16時過ぎに帰宅した長女が「母が息子を刺した」と110番している。

 この事件で祖母が孫を死に至らしめてしまった動機として、「育児疲れではないか」との声が多く上がっている。一家と同じマンションの住民は、容疑者について「最近様子がおかしかった」「以前はおしゃれだったのに、ここ1~2カ月で地味になったうえすっかり痩せてしまった」等と話す。

 離婚や死別を機に、夫を失い、子供を抱えて実家に身を寄せるシングルマザーはいる。そのシングルマザーが働きに出るとき、すでに定年している祖父や、もともと専業主婦の祖母が孫の世話をすることになるケースは、最近増えたことでは決してない。むしろ保育園数が今以上に少なかった一世代前も、こうした子育て家庭は多かったのではないかという感もある。

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