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誰の時間も平等に刻まれ、愛の形は変わりゆく。『博士と彼女のセオリー』

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 その後、二年どころか、思いっきり長生きするホーキングと、妻であるジェーンの間には、大小様々な問題が降りかかり、ひとつひとつ解決していくも、ジェーンはついに「あなたを愛した。でもこれが限界だわ」と告げ、彼らなりの決断を下す。「愛があればどんな苦労も乗り越えられる!」なんてキレイ事は、天才物理学者にも通用しないのだ。

 誰のどの選択が正しいのかなんて誰もわからない。「時間」を研究するホーキングにさえ、妻の心がどの時点で離れてしまったかもわからないだろう。

 だが、周囲から何を言われようと、自立することを選んだジェーンは「(障害者の)夫には私がいなきゃダメなんだわ……」とは思わなかった。彼女が勇気ある人生を選択したことは間違いではない、と言いたい(自戒の念も込めて……)。その事実を、この映画は特に美談だとか悲恋だとかにまとめるわけではないが、その後のふたりの関係を見る限り、やっぱり彼らの選択は正しいことだったんだと思える。

 今作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホーキング役のエディ・レッドメインの熱演は確かに見応え十分。しかも彼の笑顔がめちゃくちゃキュートなものだから冷静に考えると結構うじうじしててウザめな性格のホーキングも許せてしまう。彼を見るためだけにでも、オススメである。

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