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シングルマザー必見!? 生活に困った人が利用できる「生活困窮者自立支援法」始まる

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 これまで「制度の狭間」にいて、適切な支援を得られずにいた生活困窮者にとってこの制度は喜ばしいもののように思われます。実際に、生活困窮者自立支援法で救済される方もいるでしょう。ただ手放しで推奨できるものではなく、数々の問題点も指摘されています。

 例えば、NPOほっとプラス代表理事の藤田孝典さんが指摘されているように、窓口の質がどれだけ担保されるか、という点(覚えておきたい!生活に困った際に知っておくべき相談窓口が開設!ー生活困窮者自立支援法はじまるー)は不安材料のひとつです。困窮者自身が自らの状況を理解できているとも限りません。また、それを伝えることが困難な人もいるでしょう。そうした複合的な困難を正確に把握し、適切な支援に繋げるのは非常に骨の折れる作業です。そうした事情は、柏木ハルコさんの『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館)でわかりやすく描かれています。

 また、この法律は、生活保護法改正とセットで議論をされていたものの、支援の方向性がまったく異なるものだということも注意したいところです。生活保護法はその目的として「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とあります。一方の生活困窮者自立支援法は「生活困窮者自立相談支援事業の実施、生活困窮者住居確保給付金の支給その他の生活困窮者に対する自立の支援に関する措置を講ずることにより、生活困窮者の自立の促進を図ること」を目的とされた法律です。

 つまり、生活困窮者自立支援法は、あくまで「就労」を支援する制度であって、困窮者の「生活を保障」するものではないのです。改めて上述した7つの支援内容をみると、そのことが見てとれるかと思います。

 「就労」をベースにした支援は、その人の最低限度の生活を保障するものではありません。就労が困難な人は、この制度から零れ落ちてしまう可能性は十分に考えられます。そうした中で、生活保護の受給ハードルが上がっているということは、結果的に、新たな「制度の狭間」を作り出してしまうのではないでしょうか。

 とはいえ、この制度によって困窮状況から脱出できる人が生まれるのも確かでしょう。「生活困窮者自立支援法」は生活に困窮していれば誰もが利用できる制度ですから、就労できないなど生活に困難を覚えている方などは、各自治体に設けられた窓口に相談してみて欲しいと思います。
(水谷ヨウ)

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