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美容に熱心な男はキモい? 元Jリーガー陣への「男らしさの押しつけ」

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 武田と同じく元Jリーガーの前園真聖(41)も最近は「女子力が高い男子」として注目を集めている。前園も入浴後のスキンケアは化粧水や乳液、ボディークリームを欠かさず、入浴時には良い香りのバスソルトも入れる。スイーツ好きでペット(豚)を溺愛するところも「女性らしい=男らしさに欠ける」とされている。前園はがっしりした体躯と髭の濃い顔立ちなどとのギャップがあるためかキモいというより面白いと受け止められる傾向が強いようであるが、キモがろうが面白がろうが本質は武田問題と同じである。また、4月2日放送の情報番組『とくダネ』(フジテレビ系)で、VIOラインのレーザー脱毛を実行する男性を紹介し、これにも「キモい」との反応がネット上で相次いでいた。

 以前messyでは武田と同様、中村昌也(28)のまつエクが“キモい”と言われることについて言及したが、男性が美容に気を使う事を「男らしくない」、ゆえにキモい、とするのは「男は身だしなみに気を使わないもの」という一方的な価値観の押しつけでしかなく、男性は肌や爪の手入れが適当でなければならない、とする根拠はどこにもない。穿った見方をすればこの価値観からは「身だしなみに気を使う時間を仕事にまわせ」という謎の圧力すら感じる。女性に関しては例えばこの記事などによれば、会社でのお茶汲みをまかされる、電話の受付が当然のように女性の仕事とされる……など、あらゆるシーンで「女らしさを押し付けられている」ことが多々あるというのであるから、誰の価値観か分からない「らしさ」を押し付けられることへの疑問や抵抗は常々感じていることだろう。武田もまったく同じなのではないだろうか。

 経済産業省は平成24年度から毎年「多様な人材が持つ能力を最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」であるダイバーシティ経営の裾野を広げるため『ダイバーシティ経営企業100選』を発表している。同省のプレスリリースによれば“我が国がデフレ経済から「価値創造」経済へと転換を図っていくためには、女性、外国人、高齢者、障がい者を含め、一人一人が能力を最大限発揮して価値創造に参画していくことが必要です”という。国をあげて多様化を推奨し始めたにもかかわらず、「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という画一化を叫ぶのは時代に逆行している。むしろこうした取り組みを国が行う事自体、日本の多様性のなさを示してもいるが、男だから、女だから、をはじめとした、様々な属性に応じた『こうあるべき』という価値観の押しつけは終わりにしても良いのではないだろうか。というか武田ぐらい美容に熱心な男性が今はマイノリティでも、時代の移り変わりとともにマジョリティになる日が来ることも十分ありうる。「加湿しない男ってキモい」な世の中が来るかもしれない。時代とともに価値観は変わっていくのだから。

ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

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