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パートナーシップ証明書から考える「結婚」って何だろう? 牧村朝子さんインタビュー

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そもそも「結婚」ってなに?

―― 牧村さん自身、制度が整っていないことや差別によって、生きづらさを感じられてきたと思います。日本では未だ十分に制度が整っていない中で、そしてこれから制度が少しずつ整っていくかもしれない中で、生きづらさを抱えている人に対して、なにかメッセージをいただけませんか?

牧村 うーん……「肩書きを生きない」かなあ。私はテレビでレズビアンだということを発言して、「日本初のレズビアンタレント」という肩書きを付けていただいてから、「レズビアンがいるということを、この日本社会に訴えていかなければ!!」みたいに肩肘張って生きていたんです。周りからは「日本初のレズビアンタレント」って見られるし、私も「レズビアンとしてどう生きるか」を意識していた。ダラっとした気分のときも「いやいや、レズビアンとして見られているこの私が、こんなみっともない行いをしたら、レズビアン全体のイメージが悪くなってしまう!」みたいなね(笑)。

そうする中で、ふと「レズビアンってそもそもなに?」って思うようになったんです。レズビアンと言われる人の中にも、いろいろな人がいるわけですよね。誰かひとりがレズビアンを代表して生きていくことなんてできない。おこがましいことだって気がついて、私は私として皆さんに楽しんでいただくのが仕事なんじゃないかって立ち返ったんです。「私は女だからこうしないといけない」「レズビアンだからこうしないといけない」って、自分に当てはまる肩書きに従って自分の行動を決めてしまうと、息苦しくなっちゃうんです。自分が何をしたいかに行動基準を置いて、自分を生きるのが大事です。

―― ありがとうございます。最後に、今回の条例のポイント、そして読者に注目していただきたいポイントをお話ください。

牧村 渋谷区の条例は、「同性婚条例」「パートナーシップ条例」と報道されていますけど、全然そんなことありません。「日本で同性婚が認められたことではないんだよ」ということをまず知ってほしいです。

それから、このことを「同性愛者の人たちのこと」と切り離さないでください。これはいわゆる当事者側も、非当事者側の人たちにも言いたい。私も結婚のことで困るまでは、空気や水と同じように、「結婚」というものが当たり前にあると思っていました。でも、実際に結婚のことで困るようになってから、日本の婚姻制度が異性同士に限られているのかが不思議になりましたし、国によって婚姻制度で認められている範囲がぜんぜん違うことを知りました。日本の婚姻制度は、日本に住むいち構成員として考えることだと思います。そうした中で、今回の条例をきっかけに、「そもそも結婚って何か」というところまで考えて欲しいです。
(聞き手・構成/カネコアキラ)

■牧村朝子さんご活動告知

▼京都精華大学での講演
http://www.kyoto-seika.ac.jp/info/assembly/2015/first/makimura2015/

▼書籍「まんがで綴る百合な日々」巻末対談で著者のネギたぬさんと対談
http://amzn.to/1FhjJzc

▼マンガ「同居人の美少女がレズビアンだった件。」でも、PACS~結婚までの経緯が描かれています
http://amzn.to/1CVl7qR

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