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“ママ名刺”カルチャーを大々的に煽るメディアの罪深さ

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 しかしそもそもママ名刺が話題となった根本は、先の「VERY」による、自社の『ママ名刺作成サイト』での名刺販売へとつなげるステマ記事だった可能性も否めない。こうしてボチボチ広まってきた中で「セブン」がママ名刺にまつわる面白エピソードを発信し、「ママ名刺」という言葉だけが大きく広まったというのが真相ではないだろうか。いってみればママ発信のカルチャーではなくメディアがブーム(まだ実際はブームですらない)にしようと焚き付けており、“あれっ、これそろそろ乗っかってなきゃマズい!?”と思い始めたママさんたち向けに「ママ名刺づくり」的なイベントが用意され始めた……みたいな流れのように見える。

 「セブン」の記事では、夫の名前や肩書きが載っている立派なママ名刺を配られてママ友作りに乗り遅れたといったコメントがあったが、実際にこんな名刺を配られたら、なんと危機管理能力の低いママさんだろうと呆れてしまうよりない。個人情報を拡散していく恐ろしさがまったくわかっていないのだろうか。

 入学、入園などは新しいママさんたちとの出会いの場でもあるが、初対面のママさんたちはまだお互いにどういった人物なのかがよく分からない。そんな時期によく知らないママさんたちに対して、自分自身だけでなく家族の個人情報までも公にしてしまうリスクは大きい。最悪、この個人情報を売られてしまいそうだ。しかも自分や家族のことを初対面の人に対して公にできるのであるから、こちらの個人情報もポロッと漏らすだろう、と警戒されかねない。というか、そんな個人情報満載のママ名刺を初対面で手渡されたら、自分の情報をその相手に極力漏らさぬよう警戒したほうが良いだろう。フェイスブックでも「全体に公開」で子供の顔とか平気で出しそうだ。というわけで、実際にこんな名刺を配るママさんは、ママカースト上位にいないのではないだろうか。

 メディアは常に女性のマウンティングをネタにしているが、まだママさん同士でこんな名刺をやりとりすることは一般的といえるほど大衆に広まっているといえないだろう。まだ浸透していないカルチャーを大々的に取り上げそこに女性間のマウンティングが存在するように煽られるのは、女性としては迷惑である。実際にママ名刺を作成できるサイトがある以上、作成しているママさんたちもいるにはいるのだろうが、誤解してはならないのは、あくまでもママ友は子供あっての関係であり、自分たちは脇役だということ。グイグイ我を押し出すママさんは基本的に、変人扱いされて避けられる。

ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

 

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