社会

選挙が終わっても政治は続く。「筆談ホステス」の区議当選から考える障害者差別をいかに乗り越えるか

【この記事のキーワード】

まだまだ課題は山積している

 聴覚障害に限らず、日本はまだまだ障害者への理解・環境整備が整っていません。

 今年の3月に、「障害者インターナショナル日本会議」「障害者欠陥条項をなくす会」という、障害者に関する問題について調査研究や政策提言などを行っている二つの団体が「杖携帯を禁止する「規則」等の改正を求める要望書」を各所に提出しています。

 これは、2014年末に、鹿児島県や愛知県の議会で、傍聴しに来た視覚障害者の白杖が、携帯禁止の規則に引っかかるとして預けるように言われたことへの抗議文です。

 白杖は視覚障害者にとって体の一部です。白杖でなくても、足を折った人が、杖を付いて傍聴しに行ったところ杖を取り上げられてしまった……というのはおかしな話ですよね。こうした規則が複数の議会で見られたと、「杖携帯を禁止する「規則」等の改正を求める要望書」には記されています。

 昨年、日本は国連障害者権利条約をようやく批准しました。来春には、障害者への差別を解消することを推進する「障害者差別解消法」が施行されることが決まっています。これによって、障害を理由とした差別を禁止し、社会的なバリアを取り除く(スロープの設置など)ことが法的義務となります。

 これらは「来春の施行から」ではなく「今から」着手しなければ間に合わないものが数多くあります。例えば、来春になった瞬間に、階段をスロープに変えることはできません。差別的な議会規則を変えるにも、いろいろと手続きが必要でしょう。

 選挙が終われば政治が終わるわけではありません。法律や条例が出来たからといって、必ずしも利用者の生きやすさを増進するとは限らない。渋谷区の同性パートナーシップ制度、北区議会、明石市議会の今後の動きに注目したいと思います。
(水谷ヨウ)

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。