木下優樹菜が「生きてる心地がしなかった」育児初期の心身異常と恐怖を明かす

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 また、子供が誕生してから、「女の顔と母の顔」を使い分けるようになってしまう女性もまた少なくはないだろう。出産によって、夫から「なんだか変わったよね」と悪い意味で言われてしまう妻も。木下も決して別枠ではなく、藤本から「変わった! 冷たくなったねー!」と言われる。それに対する「変わったってなに? むしろお前も変われよ!」という木下の意見にはスカッとする。だが、そんな藤本は決して嫌な夫でもダメな父親でもなく、育児を母親の仕事と線引きせず、「夫婦で助け合って乗り越えていくもの」と認識しており、藤本自身が娘の夜泣きに対応して、空が明るくなるまでリビングであやし続けたこともある。同書では彼の家族への愛情深さも、妻から夫への感謝と愛情も大いに語られている。

 それでも一時期、木下はこうやって育児を手伝ってくれる実母にも、妻を気遣ってくれる夫にも、当り散らしていたという。藤本に対して直接言いはしなかったが、当時木下が考えていたことを“今言いたいだけ言うと”とあえて綴った部分は、共感を呼ぶのではないだろうか。

「ユキナは産んですぐこんなに働いて、帰ってきたら即、授乳だのお風呂だのやってるんだよ! 慣れない育児を一人で。体張ってるのは全部こっち。いいよね、だぁは泊まりで仕事行って人とご飯行ってさ。こっちはなーんにもないの!(中略)仕事してる最中も頭の中では、子供を預けてまで働いて、本当にこれでいいのかなとか葛藤があるし。そんな気持ち、だぁにはないでしょ。(中略)なんでユキナだけ? だぁも望んで作った子供なのに。なんでユキナだけこうなの?」

 木下の不満は募り、体調もおかしくなっていく。可愛いはずの娘と2人きりになると、決まって「息ができなくなる感じと激しい動悸」が出てくる。「急に冷や汗が出たり逆に超暑くなったり」の繰り返しという彼女の症状から見ると、自律神経のバランスを崩していることが明らかだ。さらに、やる気が出ない、食欲もないという状況が続き、「死ぬかもしれないっていう訳分からない感情」にも襲われる。あまりに体調が悪いため自分がこのまま突然死んでしまうのではとさえ思い、もしそうなったら自力で動けず電話で助けも呼べない赤ん坊はどうなってしまうのかと不安でたまらなかったそうだ。死ぬことが恐ろしくて車にも乗れなくなってしまったという。だから常に自宅に人を招くようにして異変を回避しようとしたし、「だぁが家にいる日は本当にホッとした」。娘と親密に接することもできなくなり、実母から「もうちょっと触れ合ってあげなさい」とたしなめられることもストレスに。

 結局、木下は産後4カ月めに病院を受診して「産後の疲れでバランスを崩してますね」と診断される。出産と慣れない育児による心の疲れなのだと理解でき、死の不安から解放されたことで心底ホッとしたという。そして今では、新生児期の貴重な時間にもっと娘と触れ合い、大切にしたかったと心から思うと綴っている。今の時代、こうした経験を明かすことは、「母親のくせに!」とバッシングを受ける要因になり得る。散々ブログが炎上してきた木下はもちろん、そのことも承知しているだろう。でも批判を覚悟で正直に胸のうちを綴っている木下の『ユキナ育。』は、育児ノイローゼに悩んだ経験を持つ母親、そして今現在まさに産後の心身不調に陥っている母親たちにとって、共感できる部分がいくつもあるのではないだろうか。
(ヒポポ照子)

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