痴漢を消費するネプリーグと、女性の自意識に矮小化する人びと

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美人だったら痴漢するの?

 さて、基本をおさえたうえで、先ほどのまとめサイトを改めてみてみましょう。

 酷いツイートをまとめると大体こんな感じですね。

「絶対そんなに多くない」「デブスの勘違い」「被害妄想乙」「冤罪」「男が皆痴漢するわけじゃない」「痴漢されるほど可愛い女の子がたくさんにいるってことか!」

 こんなツイートをして恥ずかしくないのだろうか? と思うのですが、恥ずかしくないからツイートできるんでしょう。

 朝の通勤ラッシュの満員電車では、否応なく人と接触することになります。触ろうとして触ったわけではない人や、触られていないのに触られた気がする人もいるでしょう。その中には、(被害側にせよ加害側にせよ)被害妄想的なものも含まれているのかもしれません。だからといって当事者の自意識の問題にするべきではないのです。それは下手をすると、痴漢を肯定しかねない言説になります。実際に被害に遭った女性に対して「どうせ、勘違いでしょ」という言葉をかけているのと同じわけですから。

 必要なのは、60%もの女性が過去に痴漢被害に遭ったと考えているのであれば、この数値を減らすために何ができるのか、を考えることです。女性専用車両だけでなく男性専用車両を導入すると痴漢を含む電車内の犯罪を減らす効果があるのであれば、それを導入すれば良い。満員電車を解消すれば、痴漢が減るのであれば、その方法を考えれば良い。自意識の問題にして一体なにが解決するのでしょうか?

 さらに「デブス」「痴漢されるほど可愛い」という発言は、綺麗な人が痴漢の対象となることを肯定しているものです。「(自分だったら)デブスではなく美人を痴漢する」ってことですよね。その発想がすでに気持ち悪いことに気がついて欲しいものです。

娯楽化された性犯罪

 そして最後に。先ほどのまとめサイトの後半や、コラムニストの勝部元気さんがまとめられたtogetter(http://togetter.com/li/823957)にもあるように、性犯罪である痴漢を面白半分にバラエティで消費するのは、あまりに無神経ではないでしょうか?

 もちろん、被害防止を啓発する意図を提示した上で、あまり知られていないデータや、我々の認識を改める事実を示すのは望ましいことです。バラエティ番組でそうしたデータを紹介すれば、ニュース番組の視聴者層とは違った層に届けられるかもしれません。

 性犯罪ということは、被害者がいるわけです。そうした人たちの思いを踏みにじらないようにしていただきたいですね。
(水谷ヨウ)

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