
Photo by Spencer Wright from Flickr
先日、読売新聞の「人生案内」に掲載されたある相談事がTwitter経由で拡散され、議論となった。相談者は40代の会社員女性で、内容は高校生の息子についてだ。
・中学時代、小学生の妹の水着を勝手に着ていた息子を「変態」と叱った
・息子が女性用の競泳水着をたくさん隠し持っていることがわかった
・水着は地元のスイミングクラブの忘れ物コーナーから盗んだと告白
・高校進学後、息子は不登校気味に
・親が叱ると息子はキレて暴力をふるう
・息子はネット通販でセーラー服も買った
・父親は「どうしようもない」と諦めている
こうした問題を抱え、相談者は「何か事件を起こすのではと思うと夜も眠れません」と苦悩している様子だ。心配している「息子が起こしそうな事件」とは、おそらく性犯罪をイメージしているのだろう。しかし、窃盗行為を告白している時点で事件は起こっている。ネット上で広まったのは相談内容部分のスクリーンショット画像のみであったため、人生案内の回答者がどのようにアドバイスを送ったのかは不明だ(新聞紙面では必ず回答が左側に記されているはず)。また、当該の相談内容が新聞紙上に掲載されたのは最近ではなく、2014年7月である。そういった部分はさておき、ネット上での「息子の性に、親はどう向き合うべきか」議論は活発だった。
■『全国のお母さん、どうか息子の「性」について正しい知識を持ってください。』
このブログ記事にはコメント欄で500件以上の意見が交わされた。
しかし、「性についての正しい知識」と言っても、何をもって「正しい」とするのかは明確でない。実際に我が子が自慰行為をするようになったとき、そのオカズとしているであろう物品を発見した親が「これは異常だ」と感じたら、どう行動するのがベストかも定かでない。子供の性的趣味嗜好への干渉は、ともすれば性的虐待の領域かもしれないが、放置したとしてその後、子供が何か性癖由来の事件を起こしたときに「親の無関心」が取り沙汰されるかもしれない。そもそも「万人にとってベスト」な対応は残念ながらない。ないから不安を煽られる親がいる。傷つく子供もいる。
では実際に「息子」を養育中の親たちは、彼らへの性教育についてどう考えているか。まずは2歳の息子を育てる専業主婦の女性(Aさん、三重県在住、31歳)に「息子の性教育、考えたことありますか?」と電話で話を聞いてみた。参考のため事前に上記ブログなどの情報を読んでいただいたのだが、普段あまりネット接続して情報を得るタイプではないというAさんは、「ネット記事って大袈裟ですね~」と笑いながら次のように話してくれた。