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少子化なのになぜ待機児童? 「育休退園」問題から考える

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待機児童は地方では少ないの?

 先に個人的な話題をひとつしておこう。筆者の学生時代からの友人で、現在は地方在住の30代女性はつい先日まで専業主婦だったが、1歳ごろから息子を週2ほど保育園での「一時保育」に通わせていた。彼女の実両親および姉妹は車で40分ほどの土地にある実家に住んでいるが、親子関係があまり良くなく、子供を「ちょっと預かってほしい」と頼める間柄ではない。率直に言うと、祖父母は孫の面倒を見ることを「喜び」というより「重い負担」と感じるとのこと。

 そんな彼女の夫はサラリーマンで、帰宅時間は毎晩8時台。決して遅すぎる時間ではないが、その時間にはもう子供は夕食も入浴も終えて寝ているそうだ。朝から晩まで、彼女は子供と一対一の状態でほぼ一年間を過ごし、ほとほと疲れきってしまっていた。そこで、息子の健康診断や予防接種で訪れる保健センターの職員などに相談し、「一時保育やってみれば?」と勧められた。

 一時保育で息子が楽しそうに過ごしている、と園での様子を保育士から聞き、満2歳になる年度に正式に保育園入園した。彼女らの住む地域に待機児童はいなかった。そして、息子が保育園に行っている間に彼女は求人を探し、履歴書を書いて面接を受け、現在はパート職員として働いている。

 そんな友人の話を聞いて、「そういえば、日本は少子化進行中で出生率も低いのに、どうして待機児童がいるんだろう?」と素朴な疑問を思い出したのだ。

 いまさらだが、“待機児童”とは、保護者が保育所(や学童保育施設)に入所申請をしているにもかかわらず、入所できない状態にある児童をいう。保育所への入所・利用資格はあるのに、施設不足や定員がいっぱいであるために入所できない。何らかの都合で欠員が出るまで、待機中の保護者は、子供を抱えながら仕事をするか、子供を置いて仕事をするか、シッターを頼むか、一切仕事をしないか……等々、それぞれの選択をすることになる。

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