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少子化なのになぜ待機児童? 「育休退園」問題から考える

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 筆者は4歳の娘を公立保育所に預けて日中に働く身だが、その保育園には非正規も含め非常に多くの職員がいる。今ざっと調べたところ、正規40人、非常勤や派遣・パート・業務委託が30人の合計70人もの大人たちが勤めているようだ(調理師5名含む)。遅番のみのパート職員も6人ほどだが、日中は別の保育園でパート勤務をしている「掛け持ち」の人もいる。定年後の再雇用で短時間働くおばあちゃん先生もいる。しかし正規雇用の職員だと、確かにシフトによって「早番の日は朝6時前に家を出て夕方帰宅」「遅番の日は昼前に出て21時帰宅」という変動がザラにありそうだ。一方、民間の保育所勤務の場合は、正規雇用でも非常に賃金が安く設定されているところが多い。責任の重さに見合わない低賃金の長時間労働ではやはり、人員が定着せず不足してしまう。こうした保育士の労働環境を改善していくことが急務で、「国が財政面でも本腰を入れてバックアップする必要がある」と猪熊さんは述べている。

 最後に(5)だが、現状、公営民営を問わず、0~2歳児が年度途中で保育所に入所することは困難だ。児童の受け入れ年齢は「生後7カ月から」「生後3カ月から」等、保育所ごとに定められているが、たとえば2015年9月に生まれた児童が、2016年4月に0歳児クラスに入所したいと申請したくても、その保育所が「生後7カ月から」であれば、4月入所が申請できない。0歳児クラスは、前年の4~8月に生まれた児童たちが4月入所するだけで定員いっぱいになってしまうケースがある。そしてそのまま、1歳、2歳と彼らが繰り上がっていくと、他の児童が途中から入ろうとしてもそもそもの枠がないから難しいという。

 筆者の子供が通う保育園は、0歳児で「4月入所9名」「7月入所7名」「10月入所5名」と、0歳児を3つのクラスに分けて入園時期をずらすことで対応していた。しかしそれでも、「4月入所」可能な時期に誕生した子供のほうが入園枠が広く有利ではある。また、子供が1歳児クラスに進級したときに9名の児童が新しく入園してきていた。

 待機児童数は1歳児を中心とした低年齢児が多いが、これは低年齢クラスのほうが受け入れ定員が少ないことにも起因している。そもそも厚生労働省によって保育所(児童福祉施設)の職員配置基準は明確に定められており、低年齢児童は保育士の人数を多く要する。

 0歳児クラスなら児童3人につき保育士1人を配置しなければならないため、1クラスの定員児童が9人だとしても保育士が3人必要だ。人件費が圧倒的に高くなり、保護者の支払う保育料も低年齢児を預けている時の方が高い。1、2歳児は児童6人につき保育士1人、3歳クラスで児童20人につき保育士1人、4、5歳クラスだと児童30人に保育士1人、といった具合に、年齢にあわせ、少人数の保育士で大勢の児童に対応できるようになる。

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