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「牛乳を飲ませない」育児論の松嶋尚美、母乳育児にこだわり…『子育てトンデモ言説』が母親たちを振り回す

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 乳児期は特に子育てが大変な時期であり、女性のホルモンバランスも妊娠と出産により崩れているため、なにかとネガティブに物事を考える傾向が出てくる。しかも子供はまだ数時間おきに目を覚ますので、主に世話を担う母親はろくに睡眠もとれず心身ともに疲れ切っている。夜中に片方の腕で子供を抱きつつおっぱいをくわえさせながらもう片方の手でスマホを持ち「母乳 食べ物」など検索して、母乳をよく出すためには何を食べたら良いのか、おっぱいが詰まってしまわないためには(母乳育児中は“オッパイつまり現象”がよく起こり、乳首の先が詰まってオッパイが出なくなることがある。むちゃくちゃ痛い)どうしたらよいのか、と調べまくるのは筆者もよくやった。

 そうした中で先のような、“子供の食”について不安を与えるような言説に出会ってしまう機会は、非常に多い。睡眠時間もまともにとれない中、慣れない育児に疲れ切った真夜中、こんな言説を目にしたら、たとえ普段は論理的で合理的に物事を考えるタイプの女性だとしても、「ああ、そうなのか……」と素直に信じてしまうのかもしれない。食についてこだわりを持って育児をしたいと考えている女性であればなおさら、不安にもなるだろう。偽母乳ビジネスはそうした「疲労困憊の母親たち」をターゲットにしており、母乳育児に悩む女性に寄り添うビジネスではなく、完全に食い物にしているのだ。

 冒頭の松嶋のように、乳児期を過ぎてもこうした言説には数多く接する機会がある。特に、知り合ったママ友が食に対して意識の高い女性であったりすれば結構キツい。もちろん、筆者のまわりにも何人かいる。しかし、いわずもがなであるが、ネットでよく見かけるような、子供の食に対して不安を煽る言説にはエビデンスを示していないものが多く、無条件に真に受けるべきではないし、信じる必要もない。特定の商品名を挙げて“この食品には発がん性物質が含まれるから”などとさも真実かのように言うママさんもいるが、その食品だけを避ければガンにならないと言い切れるものではない。

 また、少し調べれば、その説が「正しいものか否か」はわかりそうなものだ。松嶋が信じ、実践していた「子供に牛乳を飲ませない」件についても、調べればすぐに医学的見地から否定するサイトが出て来る。ここでも「カルシウムが尿と一緒に輩出されることはない」と明言している。胡散臭い“子供の食”について危機感を煽るような噂話については、疑問があればネットで調べたり、販売元や厚生労働省に問い合わせるなどすれば、こうした言説が正しいかそうでないかはすぐに分かる。むしろ神経質になりすぎることで、母親である女性の神経がすり減ってしまうほうが、子供にとっては不幸なのではないだろうか。

 テレビ視聴率は低下の一途をたどり(そもそも視聴率という数字の意義が疑わしいが)、「テレビの時代は終わった」と言われて久しいが、まだまだテレビのメディアとしての影響力は大きい。だからこそ、母親である女性を苦しめるこうした言説を、テレビでこそ次々に斬り捨てていってほしい。

■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

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