社会

東京都で始まった性暴力救援ダイヤルNaNa ワンストップ支援はなぜ大事?

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性暴力救援センターさが さがmirai

 佐賀県にある「性暴力救援センターさが さがmirai」は、強姦被害にあった未成年女子の診察をした医師が心の傷を心配して、県DV総合対策センターに支援の必要性を訴えたことをきっかけに設置されました。

 佐賀県では支援の3つの柱として「医療的支援」「精神的支援」「経済的支援」を掲げ、相談者に必要とみられる支援内容に応じて、ハローワーク、臨床心理士、産婦人科、弁護士、社会福祉士などの各所相談機関に連絡し、ケアを行っています。

 相談窓口は、医療センターの「好生館」にある「さがmirai」と「佐賀県立男女共同参画センター アバンセ」。業務時間内の相談を受け付けていますが、「急性期(被害直後から妊娠した場合の中絶ができる概ね6カ月)」は、24時間体勢の医療対応を行っているようです。

 総合的な支援を、たったひとつの窓口に電話することで受けることが出来る。自らの被害状況を把握し、適切な機関を選び、それぞれに相談をせずに住むという点で非常に負荷の少ない支援のあり方だと思います。

 平成24年7月から平成25年6月末までに、電話・来所あわせて202件の相談を受けており、その多くが「強姦・強制わいせつ」となっていますが、過去の性暴力被害やDVなどの相談実績もあります。

 現在は、任意の証拠採取・保存は行っておらず、検討課題として掲げています。

わかやまmine

 神奈川県の「わかやまmine」は、県内弁護士会が大阪府にある「民間団体 性暴力救援センターSACHICO」を見学した後に、県知事に直接提言をしたことで設置の検討が始まっています。

 「わかやまmine」への来所・電話による相談を受け付けており、その後、医療支援や捜査関連支援、心理的支援、法的支援を行います。産婦人科など医療機関、県精神保健福祉センターや民間被害者支援団体や、弁護士や臨床心理士などと連携をしており、「さがmirai」同様、まさに「ワンストップ」の支援が受けられるようになっています。また男性の被害者の相談を受ける「りぃぶる」という窓口を「わかやまmine」とは別に開設していることは特筆すべき点でしょう。

 また「わかやまmine」は、警察への届出をためらう被害者には、任意で証拠採取を行っています。ここで採取された証拠は冷凍庫で保存され、その後、必要となった場合に警察に提出されるようです。

 対応実績は、平成25年7月から11月末で61件。内訳は資料内に記されていませんでした。

まずは各都道府県の窓口にアクセスしてみて

 ここで紹介した支援センターは性暴力に特化した相談窓口でしたが、各都道府県には、性暴力被害についても相談を受け付けている窓口をもつ支援センターが複数設置されていますし、また「ワンストップ支援センター」の設置に取り組み始めている都道府県も数多くあるようです。

 性暴力被害の被害申告率が13.3%しかない現在、被害者が安心して相談できる窓口が設けられることが、性犯罪・性暴力の被害実態を把握し、その対策を練ることに必要不可欠となります。なにより相談も警察にも届けられず、ひとりで苦しんでいる被害者のためにも、こうした取り組みが広がっていくことを期待します。

 改めて、東京都の「NaNa」は24時間365日相談に対応しています。都内全域に、65の協力医療機関が確保されており、その他専門的な機関も必要に応じて繋げられるとのことです。性犯罪・性暴力でお悩みの方は、ぜひ各都道府県の相談窓口ページにアクセスしてみてください。
(水谷ヨウ)

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