社会

お見合い仲介の育成対策に情熱を注ぐ、政府有識者の的外れなお仕事

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「結婚」は絶対的な価値観じゃない

 ……それでもなお、私はこの提言に対して抵抗を覚えます。というのも、「結婚」は絶対的な価値観ではないと思うからです。

 結婚はしなくてはいけないものではありません。結婚したいと思う人は結婚をすればよいですし、結婚したくない人は結婚しなくてよいのは言うまでもない。それは個人の自由な意思で決めればいいことです。

 政府がすべきなのは、「結婚したい」と考えている人のうち、「結婚したいと思える人を見つけられたのに、結婚ができない」パターンの障害をいかに取り除くか、ではないでしょうか?

 具体的になにをすべきなのか。第14回出生基本動向調査には「結婚の障害」という調査項目がそのヒントになると思います。1987年から2010年にいたるまで、結婚の障害は「結婚資金」が多数を占めています。2010年は過去最高の男性43.5%、女性41.5%と半数近くなっている。また、続いて多いのは、割合としては15~20%程度になりますが、「結婚のための住居」「職業や仕事上の問題」と、どれも経済的な問題が結婚の障害として大きいようです。これらのデータからわかることは、政府がすべきことは「お見合いの仲介役を育てる」ことではないように私は思えます(そもそも適切な仲介役の育て方なんてあるんでしょうか?)。

 同時に、結婚したいと思わない人が、結婚しなくても当たり前に生活できる社会を実現させようと試みることも大切です。「結婚」という数ある価値観のうちのひとつでしかないものを政府が主導して掲げ、政策を打つのは、社会に対して「結婚」が当たり前にすることであるという考えを押し付けていることに他なりません。そもそも「お見合い」のような、他者が介入する形での出会いはすでにいくつもの結婚相談所があるので税金を投入するものでもないのでは……?
(水谷ヨウ)

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