女性の働き方の選択肢が増える。細分化されたニーズに応える企業4社

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女性管理職の割合に数値目標設定などを義務付ける「女性活躍推進法」が8月28日に可決しました。

男性が就く「総合職」とは異なり、女性は一般業務を行う「一般職」に就き、結婚を機に寿退社をし、主婦になるという選択肢がかつては「当たり前」と思われていました。しかし現在は、まだまだ問題は山積みとはいえ、次第にさまざまな働き方を選択できる時代になりつつあります。

働き方が多様化するということは、それだけ働く上でのニーズも細分化されるということです。そこで今回は「女性の働き方」という観点からサービスを提供している企業4社が集まり、それぞれの事業について語るイベントに参加してきました。これからの「働き方」はどのように変わっていくのか、様々なヒントを得ることが出来ました。

子供が熱でも会社を休めない。預かってくれる場所が欲しい。

1社目は、現在TBSテレビで放映している木曜ドラマ劇場『37.5℃の涙』(TBS)のモデルとなった認定NPO法人フローレンス。

フローレンスの主なサービスは、訪問型病児保育・小規模保育・障害児保育・子育て支援施設の運営等です。主軸となる訪問型病児保育を開始したきっかけは、代表理事である駒崎が、ベビーシッターをしている母親から「子供の発熱・病気のせいで仕事をやめざるを得ない親がいる」という言葉を聞いたこと。

熱を出した子供は、基本的には保育園や幼稚園で預かってもらえません。仕事を休んで子供の側についていたい気持ちがあっても、休めない時もありますし、施設型の病児保育は定員が少数で、預けることが難しいのが現状です。そこでフローレンスは2005年に、保育スタッフが自宅で保育を行う訪問型の病児保育を始めます。現在では首都圏で会員数4,500名、延べ25,000件の病児保育を無事故で行っています。

また、2015年9月には杉並区で、日本で初めて医療的ケアの必要な子供の長時間保育を実施する「障害児保育園ヘレン」を開園。日本では障害のある子供の受け入れ先が極端に不足しており、障害児の母親の常勤雇用率はたった5%(認定NPO法人フローレンス調べ)です。

「ヘレンによって、親が働けるだけではなく、子どもが『社会の中で育つ』ことができます。今までは毎日親としか触れ合ってこなかった子どもが、他の子どもと過ごし、言葉をたくさん覚えることもあるんです」(フローレンス 藤田氏)。

いままで働きたくても働くことができなかった人が、フローレンスの事業によって、「子育てと仕事の両立」という選択肢をとることが出来るようになったのです。

家事は代行サービスを利用。余った時間を自由に使う。

2社目の株式会社カジタクは、家事の負担を減らすことで仕事に使える時間を増やすサービスを提供しています。

具体的には、パッケージ型家事サービス「家事玄人」(ハウスクリーニングサービス・保管付宅配クリーニングサービス等)を販売しています。家電量販店などで見たことのある人もいるかもしれません。

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ハウスキーパーを雇うことにあまり馴染みが無い日本では、「家事は家庭で行うものだ」という認識が強いかもしれません。これまで日本では、男性が働きに出て、女性が家事を行うという慣習がありました。しかし今では共働きの家庭も増えつつあります。家事を分担して行う夫婦も多いでしょうが、それでも仕事が忙しければ家事に掛けられる時間が限られてしまう家庭も少なくないでしょう。

「皆さんが時間を掛けている家事を我々『カジタク』がやることにより、余暇に使ったり仕事をやったりして頂きたい」(カジタク 里見氏)

例えば、エアコンの掃除を自分でしようと思ったらピカピカにするのに2〜3時間はかかります。貴重な休日の時間をここに割くのは惜しいという方もいるでしょう。これをプロに任せて、その分の時間を仕事やリフレッシュの時間に使うのはとても効率的なことです。お互いが忙し過ぎて家事の分担が上手くいかない共働き家庭は、「特定の家事は『カジタク』する」という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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