――どのあたりで「これは危険」と見極めればいいのでしょう?
打「これがまた、むずかしいんです。たとえば『ブス!』とからかわれても愛嬌のある言い方だったり、『あんただってブサイクじゃん!』と言い返せるような関係だったりする場合もあるので、こう言われたら即NGという線引きはなかなかできません。でも、最初はよくても、度重なると苦しくなってくることもありますよね。そんなとき、『私、傷ついているよ。やめて』と言って、彼も『いいすぎたかな』と考えられるのであれば大丈夫でしょう。でも、その訴えができなかったり、訴えても通じなかったり、『ほんとうは、イヤじゃないんだろ?』と威圧的な態度をとられたり……そんな関係なら交際を考え直したほうがよさそうです」
イヤなことをイヤといえる関係か否かに分岐点があるのは、10代も大人も変わらない、と打越さん。だからこそ、10代のうちから「NO」をいうことを覚えてほしいといいます。また、本書の読者には男子中学生、高校生も想定されています。すなわち、「DV加害者にならないために」。こうした恋愛における〈基本のキ〉が身につかないまま大人になった男女が直面しているDVの現状とは? 後編に続きます。
(三浦ゆえ)