社会

夫婦が別々の姓を名乗っても、家族の一体感は損なわれない【選択的夫婦別姓訴訟、判決直前!ミニ講座①】

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「もちろんそういう人は多くはないですし、『そんなの、たいした問題じゃないじゃん』という人もいるでしょう。でも、少数者の人権、自由こそを保証するのが憲法です。憲法13条で『すべての国民は、個人として尊重される』とあるのに、こうして氏を失って尊厳を傷つけられている人が現にいるわけです。憲法の話が出てきたので、ちょっと社会のお勉強みたいになりますが、憲法で結婚がどのように定められているのかも見てみましょう。24条2項にこうあります。『配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない』……夫の姓にする人が96%以上という現実は、両性の本質的平等とはほど遠いですよね。また、日本はいまから30年も前に女子差別撤廃条約に合意していますが、現状はこれにも違反している状態です」

みんな同姓でないとイヤな人たち

「つまり、夫婦別姓は女性差別だということですか?」

「そのとおりです、夫婦が同姓でなければならない、という縛りがあるかぎり、これから先も妻の姓を選ぶ男性は圧倒的に少ないままでしょう。たとえば、赤石さんは男性ですが、結婚が決まったとき相手から『私は私の姓のままでいたい!』っていわれたらどうしますか?」

「僕はぜんぜん構わないですよ」

「じゃあ、ご自身のお母さんが『そんなの許しません!』っていってきたら?」

「それは考えたことがなかったなぁ。う~~~ん、どうすればいいんだろう」

「年齢が上がるほど夫婦別姓に否定的、というデータが出ています。夫が妻の姓に変えることを良しとしない……ここにも女性への差別意識があります。ただ、私たちは『夫たちよ、妻の姓にしなさい!』といっているのではなく、別姓のままでいる権利を認めてください、選択肢をひとつ増やしてくださいといっているだけなんです」

西「同姓でいたい人はそっちを選べばいい、ということですよね。なのにこの選択的夫婦別姓に反対している人たちは、みんながみんな同姓じゃなきゃイヤなんですか?」

「イヤみたいですねぇ」

「どうしてですか?」

「家族の一体感を確保できない、と主張しています。これは国も主張していなかったのに、控訴審判決で突然、民法750条の立法目的は『家族の一体感の醸成ないし確保』にあると指摘されました。でも、そんなことを裏づける証拠はありません。また、内閣府による2012年の世論調査では、『氏が違うことで家族の一体感(きずな)が弱まると思う』と答えたのは全体の36.1%で、『家族の一体感(きずな)には影響がない』と答えた人は59.8%。しごく当然の結果ですよね。なかには『マンションの表札がそろっていないのは、美しくない』と反対する人もいますが、それが家族の絆に何か関係あるのでしょうか(笑)。それから最近は『子どもがかわいそう』という声が大きくなっています。両親の名前が違うと子どもがイジメられるだろう、とか」

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