夫婦別姓を選択できる社会は、多様な個人&結婚を認める社会【選択的夫婦別姓訴訟、判決直前!ミニ講座②】

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「今回の訴訟の上告にも、ペーパー離婚している人がいますよ。でも事実婚だと遺言を残さなければお互いの相続ができなかったり、子どもが婚外子になったり、生殖補助医療を受けるのに補助金が出なかったり、たくさんの制約があります。選択的夫婦別姓というのは、むしろ『法律婚をしたい』という意思が強いんです。とはいえ事実婚の制約が少なくなれば別姓でいるためにそちらでいる人も出てきそうですが、いまのところそんな動きはなく、別姓でいたいなら事実婚に甘んじろ、といっているようなものです。前篇で挙げた憲法24条2項では婚姻の自由が定められていますが、この状況はそれに大きく反しています。夫婦の別姓を認める社会は、個人の尊厳を重んじ、多様な個人、家族のあり方を尊重する社会でもあります。渋谷区や世田谷区で同性カップルの〈パートナーシップ条例〉が施行されましたが、彼らも目指すところは同性同士の法律婚でしょう。が、夫婦別姓も認められない現状は、そうした多様性を認めるずっと手前で止まっているとしかいえません」

「12月16日に判決が出ますが、それで選択的夫婦別姓が認められたら、社会は変わると思われますか?」

国が「家族の助け合い」を命じる

「それでも、別姓を選ぶ人がいきなり増えることはないと思いますし、変わらず夫の姓になる女性が大多数でしょう。でも、これは理念の問題です。個人の尊厳も婚姻の自由も法律によって守られる、ということを示してほしいんです。ただ、これが求められたら、憲法24条そのものを改正しようとする動きが出てくるかもしれません。ここに『家族は互いに助け合わなければならない』の一文を追加しようという動きがありますが、これが加速することが懸念されます。個々の家族が互いを思いやるのはすばらしいことですが、国に命じられることでしょうか。家族の一体感を強め、それを社会保障の代わりにしようという思惑が見えるので、これは由々しき問題だととらえています。私たちは最高裁で選択的夫婦別姓が認められると信じていますが、その後も歩みを止めることなく進んでいきます」

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 当初は、夫婦別姓を「自分とはあまり関係のないこと」ととらえていた、3人の大学生。ミニ講座を終えての感想は?

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「最初は、時代が変われば自然に夫婦別姓を支持する人が増えるのかな、と漠然と思っていましたが、それ以前にまず僕自身も含め、関心を持っている人たちが少ないなと感じました。自分たちにも関わることなんだから、もっと知らないとだめですね。まず、夫婦別姓についてどう思う? と友人や身近な人と話していくことから始めたいです」

「現状でも一応、お互い議論したうえでどちらの姓にするか決めていいので、夫の姓になることを強いられてるわけではないのですね。私は自分のいまの姓を大事に思っていますが、それを守るために相手にこの姓になることを強いたくはないです。そう考えると、お互いがお互いの姓でいられる選択肢が用意されていたほうが断然いいと思います」

西「これといった理由もなく続いてきた慣習的なものに対して、これってほんとうはおかしいんじゃないの? 夫の姓を選ぶのが当たり前になっているけど、それって女性差別なんじゃないの? とあらためて考えることがいかに大事なことかわかりました。これって、自分が結婚した後に受けるメリット、デメリットを知ることにもなりますよね」

取材・文=三浦ゆえ
写真=横尾涼

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