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菅官房長官に届けられた「低すぎるひとり親の児童扶養手当」増額キャンペーン署名

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駒崎 続いて、一億総活躍国民会議の民間議員となられた白河桃子さんです。

白河 白河です。キャンペーン開始後、一億総活躍子民会議の民間議員にならせていただきました。会議でも、児童扶養手当の増額を他の議員と一緒にずっと訴えてきました。以前より務めさせていただいている少子化大綱委員で少子化について考えている中で、少子化を解決したかったら、どんな形でお子さんを持たれても、親と子どもが笑顔で幸せに暮らせる社会の土台を作ること、「産める空気のある社会」にすることが、一番だと思っています。一億の掲げる「希望出生率1.8」にも大きく関わることです。

インターネット上で多くの方がこの問題に触れ、署名やコメントをくださいました。これは「たいへんな思いをしている方がかわいそうだからなんとかしよう」ではなく、「持続可能な社会を作っていくためにどうしたらいいのか」を考える大きなきっかけになったのではないでしょうか。12月は寄付月間ですが、寄付や署名という形での社会参画もあることを示した意味で、今回のキャンペーンは意味があったと思います。あと一押しです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

駒崎 続けて、NPO法人キッズドア事務局の西山太郎さんです。

西山 西山でございます。普段は現場で、お子さんと学習会をしています。数百人のお子さんたちの中には、ひとり親家庭の方もいらっしゃいます。そして大変な中で勉強をされている。今回の増額によって、参考書が買えるようになったり、模擬テストが受けられるようになるかもしれません。ぜひ皆さんご協力をお願いいたします。

駒崎 最後に、子どもの貧困対策センターあすのば代表の小河光治さん、お願いします。

小河 今回、35年ぶりの増額となれば、苦しい思いをされているお母さん方、お父さん方が「(社会から)見捨てられていない」というメッセージを受け取る、ということになると思います。4万人弱の署名が、「ずっとほっとかれていた」と感じられていた方々への大きな光となります。

本当に困っている方に光が届くことは嬉しい一方、ひとり親の中で二人以上お子さんがいる家庭は4割であり、残りの6割には光が届いていません。このことは忘れてはいけません。また、貧困世帯はひとり親家庭だけではありません。ご両親がいてもたいへんな思いをされている方もいます。こういう方々にも光を当てるためにはどうしたらいいのか。

例えば、児童扶養手当や遺族年金は高校卒業で支給年齢が終わってしまいます。ここをせめて20歳まで上げていくことも大切でしょう。また多くの貧困世帯のお子さんにとっては、高校の給付型奨学金はたいへん助かる制度ですが、一人っ子の場合は、年間3~4万程度しかない。二人以上だと13~14万円になっています。一人っ子の奨学金のラインを同程度までに上げていくことで、たくさんのお子さんに光が当たることになるかと思います。児童扶養手当の増額だけでなく、こちらもぜひ実現していただきたいと思っております。

駒崎 より広い視点、ありがとうございます。今日はひとり親の当事者である田中さん(仮名)にもお越しいただいています。田中さん、菅官房長官にお会いした感想を一言いただけますか?

田中 よろしくお願いいたします。菅官房長官には優しいお言葉をかけていただけて、本当にありがたかったです。私には4人の子供がいます。一番上の高校生は発達障害でして、その子にかかるお金が多くなってしまいます。下の3人の子は小学生ですが、学習塾に行かせたくてもなかなか行かせてあげられません。児童扶養手当を増額していただければ、その子たちも塾に行けて、勉強も進むと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。

駒崎 続けて記者の皆さまからの質問を受け付けます。

―― 皆さんお話のように、課題は残されている中で、児童扶養手当の増額以外に優先的に取り組む必要があるものはなんでしょうか?

駒崎 統一見解はありませんので、それぞれのお考えを伺いますね。赤石さん、いかがでしょうか。

赤石 先ほど小河さんがおっしゃったように、児童扶養手当の支給年齢の延長があると思います。高校を卒業して、大学に行きたいと考える子どもたちにとっては、高校卒業時点で手当てがなくなってしまうことになりますから、ぜひ実現していただきたいです。

それから児童扶養手当の支給回数ですね。現在は4カ月に一度となっています。収入の低いお母さんにとって、4カ月に一度の支給はお給料に匹敵する、あるいはそれより多い額になります。これを2カ月に一度、あるいは毎月の支給にしていただければ、家計管理がしやすくなるかと思います。それから結婚をされていない非婚のママは、寡婦控除が適用されておらず、税制上、不利な立場にいらっしゃることなど、いくつかありますから、要望を届けたいと思っています。

乙武 国の予算自体が潤沢ではなくなった今、どこに予算をつけるのかということが重要になってくると思います。ただこの問題に関しては、現時点で経済的に苦しいお子さんは、自分が社会人になったときも苦しい状況になってしまう。もっといえば、生活保護を受給していた世帯で育ったお子さんは、自身も生活保護を受給する立場になる確率が高いというデータもあります。この連鎖は断ち切らなければいけません。その解決にお金を使う、投資をすることで、そのまま放置しておけば受給する側にまわる人たちを、納税する側にまわすことができるかもしれません。そういう意味で、コストパフォーマンスの高い政策であり、予算の付け方なんだということを、まずはしっかりとデータで示し、理解を得ていくというプロセスが重要になってくるかと思います。

白河 一億総活躍国民会議では、官邸で行われる会議だけでなく、意見交換会を何度も開いています。その際に、様々な方をお呼びしておりますが、「ひとり親支援」にさまざまな形で関わる民間団体や企業が必ず入っています。企業の中では、ひとり親の方をたくさん雇用されているところがあります。ひとり親の方々は、すごく真面目に働いていて、とても有能なので、辞めて欲しくない。なるべく多くの方を雇うようにしているそうです。こうした就労支援も含め、包括的な支援が今度出てくれば、と思っています。

小河 先ほども奨学金について少しお話しましたが、そこに加えると、貧困の連鎖を断ち切るために、「お金がないから大学や専門学校に行けない」という人をいかに少なくするかが大事だと思います。いま奨学金は、無利子の枠を広げる話がありますが、そもそも有利子の奨学金が存在することが問題なんですね。マイナンバーも施行されましたから、所得連動によって返還する奨学金が可能でしょう。それから授業料の減免制度も、国公立だけでなく私立の大学や専門学校も含めて導入する必要があります。

高校の給付型奨学金のメリットは、勉強できる子だけでなく、成績を問わず全ての子を対象にしている点です。貧困の連鎖を断ち切るためにも、大学・専門学校への進学も広げていくことが重要だと思います。

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