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菅官房長官に届けられた「低すぎるひとり親の児童扶養手当」増額キャンペーン署名

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―― 今回、増額が決まったとして、今後も増額を求めていくのでしょうか? 「出来るだけ多くの増額を」というお気持ちだったと思うのですが。

駒崎 はい、キャンペーンは、「出来る限り増やして欲しい、せめて第二子以降を1万円に」というボーダーで行いました。今回検討中ということですが、100%ではないにしても、大きな前進であったという認識です。ただ皆さんお話のように、まだまだ足りない部分はあります。今後も児童扶養手当の引き上げは訴えていかないといけないでしょう。そのためにも、国民の皆さんに共感していただけるような効果的なテーマとタイミングを考えていきたいです。

赤石 キャンペーンとしてではなく、NPOとしての課題をご提示しますね。

例えば、2002年の段階では児童扶養手当満額受給の所得制限は年収ベースで192万円でした。これが小泉改革の中で、130万円に下げられ、所得によって、受給額が徐々に下がって行くものになりました。この130万円というラインを超えないように、お母さんたちが就労調整をしてしまっているんですね。このラインが低すぎるので、上げていきたい。それによって、就労意欲も高めることが可能なのでは、と思っています。

―― 先ほど、定期的に増額していくルールを、とおっしゃっていました。第一子の場合、物価スライドが適用され、物価によって支給額が変化しますが、これを広げていくということでしょうか?

赤石 1962年に児童扶養手当制度が発足したとき、子ども1人の場合は800円で、二人いるとは400円が加算されるものでした。2対1という関係ですね。その後10年くらいは、連動する形で支給額が変わっていたのですが、あるときからそうではなくなったんです。おそらく考え方が確立していなかったのだと思います。結果的に、第二子以降の加算額が増えない時代が長く、第一子への支給額と第二子への加算額が離れていきました。

ですから、今回のキャンペーンによって児童扶養手当が増額することはありがたいのですが、考え方もきちんと確立したほうがいいのではないかという気持ちがあります。この点はぜひ国会でも議論していただきたいです。

駒崎 毎回キャンペーンしないと増額されないというのではなく、物価スライドなり、なんらかのルールに基づいて欲しい、ということですよね。

赤石 はい。そうです(笑)。

駒崎 では最後の質問となります。

―― 乙武さんと白河さんに伺います。今後、どのような活動をされるおつもりでしょうか。

白河 一億総活躍国民会議の第一回で提言しましたが、包括的なノンストップ支援が可能な仕組みが全国で広がって欲しいと思っています。いま、妊娠・出産・育児を包括的に支援する「ネウボラ」という取り組みが、三重県名張市で行われています。これを全国に広げたい。ノルウェイで行われている「ネウボラ」の利点は、ハイリスクの家庭を早めに発見できることです。ひとり親世帯だけでなく、貧困世帯、夫婦仲がうまくいっていない世帯、妊娠期などを見守り、早期に問題を発見し解決できるんです。少子化は、すべて繋がっている問題ですから、その切り口で、提案を続け、「産める空気」作りをしたいと思っています。

乙武 私はいま言論で様々な発信をしています。もともとの主張は、境遇によって与えられるチャンスの数や質が変わっていくことは不平等である、ということです。子どもの貧困という言い方が定着していますが、そもそもは各家庭の貧困であり、そこに生まれた子どもの問題なんです。どの家庭で生まれるかによって、チャンスが与えられるかどうかが変わってしまう。ここをなんとかしなくてはいけないことを、引き続き社会に発信していきたいと思っています。

駒崎 記者会見は以上となります。増額まであと一押しです。皆さまぜひお力をお貸し下さい。どうぞよろしくお願いいたします。
(取材・構成/カネコアキラ)

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