「出産適齢期は18~26歳まで」浦安市長発言の真意、そして同市の少子化対策の実態とは?

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「結婚しているカップルからは、『教育費が心配で産めない』という声も届いています。これに対しては高校、大学の無償化がいちばんでしょうが、それは地方自治体レベルでできることではありません。でも、自治体だから身軽に動けて実施できることもあります。たとえば、市内のホテルを利用した『日帰り型産後ケア』や、『子育てケアプラン』。出産前後や、生まれた子の1歳の誕生日前後に市から子育て支援ギフトを贈ります。それを取りに来てもらうことでお母さんと子育てケアマネジャー、保健師が顔を合わせます。お母さん側からすれば困っていることを相談する機会、ケア側からすれば行政や医療とつなげる機会を作ることで、お母さんたちの孤立を防ぐのが目的です」(同市職員)

自分が住む自治体は何をしているのか

 取材時、市長みずからが作成したという「少子化対策検討資料」を見せてもらいました。構想段階にあるものも含まれているため、すべてが実現できるわけではないとしても、「子どもを望む人が安心して産み育てられる環境作り」、しかも絵に描いた餅の子育て支援ではなく、実情に即し、親たちが求めているものを提供したい、という並々ならぬ熱意がうかがわれるものでした。いま産めない人へのサポート(卵子凍結保存への女性)と、近いうち産みたい人へのサポート(子育て支援)を車の両輪として動かそうというのは、ほかの自治体では見られない具体的な試みです。

 だからといって、市長の発言をなかったことにしていいというわけではありません。誤解に基づく発言をあらため、正しい情報を発信する動きがなかったのは残念です。しかし、不用意な発言だけを採り上げ、背景を見ずに叩くこともまた、不毛ではないでしょうか。それでは、事態は何も変わりません。

「こんな発言をする市長、どうせ口だけで何もやってないんだろ」と思い同市のHPをチェックし、ほんとうに何もやっていないならそのときこそ批判の対象とする。逆にそこで有益と思われる施策を見つけたら、そちらを拡散するほうがよほど現状を動かせます。ついでに自分の自治体の長は何をしているかまで確認するのもいいでしょう。何もしていないオジサンに目を向けず、少子化解消のために懸命に動いているオジサンを叩くのは何ら建設的ではありません。件の発言では傷つき、怒りを感じた人ほど、そのエネルギーを事態を変えるほうに転換させることができるはず。少子化も「私たちが産めない問題」も、オジサンだけでなく私たち自身の問題でもあるのですから。

(三浦ゆえ)

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