ライフ

NHK不妊治療特集「捨て石に」発言の波紋。仕事と家庭の両取りを「ワガママ」にさせる働き方こそが問題

【この記事のキーワード】

 誤解しないでもらいたいが、これは、出産適齢期とみなされる年齢の女性だけに、定時退社や転勤ナシなどの待遇を要請するものではない。そんなことをしては前時代に逆戻りだ。そうではなく、この国が急激な経済成長をするにあたって是とされてきた働き方そのものを見直すべきだと言っている。

 そして「産みたいけれど、仕事を辞めては産めない」と悩む女性もいれば、すべての女性が産みたいわけでもないし、誰もが産まなかったことを必ず後悔するわけでもなく、そして「産んだから後悔がない」と言えるものでもない。だから社会の課題をクリアにして「お膳立てしてるんだから、女性は全員産むべき」という圧力が強まったらそれもまた問題だ。

 また、今回の特集テーマはあくまでも「不妊治療」であるため、実子でない子を養育するという選択肢は提示されなかったが、血にこだわらない選択も世の中にはある。

 いずれにしろ、「産まない」「産まなかった」「産めない」人々に対して、それを責めるようなことをしても意味などない。責められないために産む、なんてあってはならないと思う。産めばゴールではなく、育てることこそ重要だからだ。ひとつひとつの「産めるなら産みたい」という希望が叶えられるよう、医療技術だけでない社会の発展を望む。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。