独身で購入した1LDK、引越しの翌日に3.11が…。不安要素がありながらも「買ってよかった」という理由

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「女ひとり、家を買う。」Photo by Amanda B from Flickr

「女ひとり、家を買う。」

Photo by Amanda B from Flickr

 女性の住宅購入を考える連載、前編ではフリー編集者の丸田さんに、住宅購入に踏み切ったきっかけや、お部屋選びのポイントについてお話していただきました。都心の駅近、36.7㎡のマンションが月々35千円の支払いで住めるのは魅力ですよね!

 後編は、買った後で起こる周辺環境の変化や、中古物件ならではの気になるポイント、リフォームや修繕についてうかがいます。

――前編でお話を聞いていると、購入は良いことだらけのように感じたのですが、本当に問題点はないのでしょうか。

丸田「今は日当りが良好なのですが、実は部屋の南側に、新たな高層マンションが建つことが決まったんですよね。我が家からはちょっと離れているので大きな影響はないと思いたいのですが、どうなることか……。あと私の部屋は6階なのですが、エレベーターがないのが、気になる人もいるかも?」

――6階でエレベーターなしは、私ならキツいです!

丸田「適度な運動になりますよ~。購入したときには隣に老夫婦が住んでいたので、実際にお会いして聞いてみたら『エレベーターがなくても、元気でやっています』ということでした。だから私も何とかなるかなと。実はその老夫婦、もう住んでないんですけどね。住まいを引き払って、もっと小さくてエレベーターのあるマンションに越したみたいです」

――なるほど……。あの、ほかにも老齢の住人が多いのですか。マンション住人の、年齢構成を教えてください。

丸田「昔から住んでいた方々がお亡くなりになったり、引っ越されたりして、代替わりしているところです。だから住人は老人と、比較的若い我々のような世代とで二極化しています。若い世代はこれからマンションのメンテナンスなど、日々の仕事を引き継いでいかないといけないので、ちょっと面倒ですよね。とはいえ、買ったからには長持ちしてもらわないと困るので、私も3年間ぐらいマンションの会計係になりました。そうすることで、修繕積立金などの状況もわかりますし。まあ、マンションが担保しているお金は、あまりないみたいです(笑)。自主管理を担っている住民たちの意識が高くて、今までは丁寧にメンテナンスされています。ただ、今後水まわりの修繕などの際は心配ですね」

 修繕積立金とは、マンションを購入した住民が共同で積み立てる資金で、共用部分の修繕工事費用などに充てられるもの。長期的にメンテナンスの計画を立てて総額をまかなえるように設定されているはずです。

リフォーム現場に立ち会い、驚愕!

 ところが、大規模修繕があった場合は、一般的に一戸あたり60万円~120万円がかかり、築年数が上がるほど、修繕の費用もかさんでいきます。その時点までの修繕積立金でそれを賄えればいいのですが、費用が足りない場合はそのとき入居している人全員の負担になってしまうのです。築30年以上の物件は修繕のタイミングに来ていますから、あまりメンテナンスがされてない中古マンションに住む場合は、思わぬ出費があるかもしれません。

――リフォームはどうでしょう? 購入されたのは、リフォーム込みで1000万円のお部屋ですね。

丸田「リフォームは私が物件を購入した不動産業者の、関連会社が行いました。ところが、これが問題だらけ。限定された選択肢から間取りや材質を自由に組み合わせられるのがウリなんですが、その選択肢や工程がまったく住み手に優しくないんです。間取りを見たら、室内の通風がまったく考えられていなくて、窓を開ければ扉が風に煽られて危険な造り。壁紙に至っては防カビ対策をしていない。びっしり生えたカビの上から新しい壁紙を貼っている現場を押さえたときは、怒りに震えました」

――中古物件業界では、適当なリフォームをやっているところもあるんですね~。ヒドい!

丸田「たまたま大学でインテリアデザインを勉強したことがあって、それが思わぬところで役立ちました。このまま任せてはおけないと、法律に詳しい知り合いに相談して、リフォーム業者に掛け合うことに。契約書を検証しながら、間取りの修正、防カビ対策などを約束してもらったんです。言質を取るためにICレコーダーを持ち込んだり、相手にプレッシャーを掛けるために男友だちに同席してもらったりと、必死でした。結局自分が思うとおりになったのですが、最初はクレームをつけても暖簾に腕押しで、消耗しましたね」

――丸田さんはインテリアの知識や交渉スキルがあったから良かったものの、泣き寝入りしてしまう人もいるかもしれませんね。

丸田「私が衝動的に購入してしまったから、いけなかったんです。リフォームに関しては、いくつかの業者をあたって比較するべきでした。あのときがんばったおかげで快適に住めていますが、危ないところでした」

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