痴漢被害が起きる瞬間を、断ち切る剣になるか。「痴漢は俺の敵」バッジの可能性

【この記事のキーワード】

「背景の一部」にしないよう、わざと派手なカラーリングに

実際に会場でバッジを見てみると、まず目を引くのは色使い。ショッキングピンクのベースカラーは、実際に着けると、ぎょっとするくらいの異物感があります。少し付けづらいという声があるかもというのは承知で、わざとこのカラーリングにしてあるとのこと。

「ダークスーツばかりの車内に、このカラーリングはとても目立ちます。痴漢行為をしようとする人に対して、バッジを見た瞬間に抑止力になるようにしたかった。将来的には、遠目からでもこの色を見たら『痴漢抑止バッジだ、痴漢するのをやめておこう』と思わせたい」

電車を降りたら簡単に取り外せるよう、缶バッジはクリップの付いたデザインを採用。バッグなどにも付けられるよう小さいサイズから大きいサイズまで3種類を揃えています。

痴漢被害VS冤罪という構造から抜け出す

痴漢被害の問題を考える際、どうしても「痴漢冤罪はどうなるのか」という声が対立軸になりがちです。痴漢被害に遭った女性は加害者を「捕まえたい」という気持ちがある一方、混んでいる車内で違う人を捕まえ、冤罪を生んでしまうのも怖い。また、男性は自分が痴漢被害に遭うことの他に、痴漢に間違われることも怖い。

そんきょばさん自身、痴漢をした人間だと間違われ、その時に被害に遭った女性と言い合いになってしまった経験があります。

「本来であればどちらも被害者であるにもかかわらず傷つけ合ってしまう状況に、痴漢をした人間は笑っていたんだろうと思うと、とても悔しかったです」

「痴漢は俺の敵」と意思表示することは、痴漢をする人間に対しての威嚇になり、痴漢行為を踏みとどまらせることに繋がります。また誰かが痴漢被害に遭っているその現場で、このバッジをつけている人が居合わせれば、「助けて欲しい」と声を出すことが出来るかもしれません。

実際、女性用痴漢抑止バッジは使用者の声から一定の効果を出していると言われており、男性用についても同様の効果が期待できるとそんきょばさんは考えています。

誤解を受けやすいのが、このバッジの目的は冤罪を減らすことではなく、根本にある痴漢行為を減らすことであるという点です。

「『痴漢抑止バッジを付けていると、冤罪から身を守れる』という捉え方をする男性もいますが、このバッジの考え方は、痴漢被害の根っこを断ち切ること。痴漢をしようとする人間がバッジを見て、痴漢行為をやりづらいと思わせる環境を作る。これによって痴漢行為が無くなれば、冤罪の被害もなくなるという考え方です」

1 2 3

「痴漢被害が起きる瞬間を、断ち切る剣になるか。「痴漢は俺の敵」バッジの可能性」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。