家庭内でのイジメ、虐待…子供を愛せない親に育てられた元子供「産んだら愛せるって!とは思えません」

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Photo by RenaudPhoto from Flickr

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 相模原市は3月22日、両親から虐待を受けて市の児童相談所に通所していた男子中学生A君(14=当時)が、自殺を図り2月末に死亡したと発表した。児相によると、さかのぼること約2年前の2013年11月、A君の顔が腫れているなどと、市の担当課から通報があった。児相は当初、学校などを通じて対応していたが、14年6月の深夜、A君がコンビニに駆け込み、警察官に保護された。A君が「親から暴行を受けた」などと説明したことから、以降は定期的に両親と生徒への直接指導を続けていたというが、同年10月には『母親の体調不良』で、両親への指導ができない状況になり、その翌月、A君は自殺を図った。

 両親は虐待を認めていた。しかし母親はA君死後、テレビニュースのインタビューに応じ「殴ったが虐待ではない」と主張している。家庭内でどの程度の問題があったのか現段階では明らかになってはいないが、児童相談所が介入していたことから、A君が安心して過ごせない家庭状況であった可能性がある。

 「お腹を痛めて産んだ子供がかわいくないわけがない」と、親から子への深い愛情が存在することは自明であり常識、普通のことであるようにされている。もちろんそうであってほしいものであるが、しかし現実として、実の子であろうと、愛せない親がいるのである。小町にも、こうした親の元で育ち大人になった者からの相談や、今回のケースのように養育に関する問題についての相談があった。

「子供を『産んでみたら可愛いと思えるって』という自信が疑問」

 トピ主(女性・夫あり・年齢不明)は両親のネグレクト、虐待にあい、中学の頃から施設(おそらく児童擁護施設)で生活した。「施設は親と一緒に過ごした日々を思うと天国」だった。ゆえにトピ主は「両親というものは子供を愛するものだ」という定義に疑問を抱くのだという。まだ生殖可能年齢だというが、夫と話し合い、夫婦は子を作らないと決めている。トピ主と同様、夫も両親に恵まれていなかった。

 ところが、トピ主はまだ若いため「子供はまだ?」と聞いてくる人がいるのだという。「作れない」と返答すると「不妊治療をしたほうがいいわよ」と言われてしまうので、不妊治療をしたがダメだったと返してようやく会話が終了する。トピ主は、こう訴える。

「結婚している=子供をつくらないと駄目 という固定観念の人達に聞いてみたい。『産んでみたら可愛いって!』と無責任に言える自信はどこから来るのでしょう? 私は夫は愛していますが、子供が出来たら(子供を)愛せるという自信もなく母性というものも欠落していると自覚しています。それは夫も同じようです。お前なんて産むんじゃなかったなどと言われて育った者だからかもしれませんが…どうして自信満々に産んでみたら可愛いと無責任に言えるのでしょうか? 私も子供嫌いだったけど、産んでみたら可愛いって!と子供をつくらない選択をしたと言った時に返された言葉が疑問に思ったので質問しました。(略)母性の欠落を自覚している自分としては子供を産んだら愛せるって!とは思えません。一か八かの賭けなんて出来ません。赤ん坊を見てもあやしたりもせず何も思いません。幼少時の自分が小さい子を見るとフラッシュバックすることもあります。カウンセリングは通っていますが、PTSDの完治は難しいようです」

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