乙武不倫騒動に、あらためて問う「妻が夜の営みを拒否したら、夫が外でするのは“仕方のないこと”なのか」

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『子どもたちの未来を考えてみた』PHP研究所

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 不倫の事実を認め、「当面は家族と向き合うことに専念する」として仕事の自粛を表明した、乙武洋匡さん(39)。15年前に2歳年下の仁美さん(37)と結婚し、ふたりの間には幼い3人の子供たちがいる。不倫をめぐる一連の報道では、乙武さんがいかに女好きの女たらしであるかが伝えられ、過去に関係を持ったという女性たちが暴露合戦をしている。一部ネット上では先天性四肢切断という障害を抱える乙武さんが、「いかにして性行為をおこなっていたのか」に注目が集まり、下ネタで盛り上がっている。

 なかなか収束しなかったのは、不倫をスクープした「週刊新潮」(新潮社)の発売直前、乙武さんがメディア発表した謝罪文の最後に、妻・仁美さんが「妻である私にも責任の一端がある」としたためたことも大きかった。<夫の不貞について妻が責任を感じ謝罪する必要などない>と批判する論調や、<事態を収拾するため妻のコメントを出すなんて戦略的><乙武は気弱な妻を洗脳している>といったものまで、様々な感想がネット上に並び、全体としてはいっそう乙武批判が強まった印象だ。

 そんななか、3月31日発売の週刊誌ではこぞって妻のコメント取りに動いた。「週刊文春」(文藝春秋)では、『乙武妻仁美さん独占告白「主人の世話から解放される時間が欲しいと…」』。同誌から取材の申し込みを受けた仁美さんは、「私自身が子育てに精一杯で、心身ともに疲れきっており、主人の世話から少しでも解放される時間が欲しいと思ったのは事実でした」。「女性セブン」(小学館)では一問一答に応じるかたちで、「子供を育てる中で、手足のない体をぞんざいに扱ってしまったことで、彼がとても屈辱的な思いをしたこともあったと思います」

 「週刊新潮」は、前週号で直撃した乙武さんから引き出していた言葉を、あらためて選りすぐり掲載している。乙武さんは3~4年前に妻から突然「外で子供だけは作らないでくださいね」と言われて不倫はすでに妻にバレていると察知したこと、8年間にわたり様々な女性と不倫関係を持つ中で何度も「不倫を断ち切ろうと思った」ことなどを饒舌に語っていたようだ。子供を育てる中で夫婦関係が疎遠に、つまり妻とセックスレスになっていったこと、そして「(妻は自分と違って)子育てに翻弄されない夫婦生活を取り戻したいとは思っていないのかなと考えてしまったことも」あり、妻と別れて不倫相手とどうこうなりたいわけではなく「妻と元の関係に戻れたらどんなにいいんだろうとずっと思って」いたそうである。見逃せないのは、「孤独に耐えていかなきゃって、自分に言い聞かせてきましたけど……」という部分である。乙武さんは、子供たちが誕生したことで、家庭内で孤独になったと感じていたのだ。そしてその孤独に耐えられず、家の外で愛情を注いでくれる女性を複数求めた。これは、障害者である乙武さんだから特別に感じた孤独というわけではあるまい。婚外セックスに励む多くの一般男性たちが繰り出す“言い訳”として、「妻が子供にかかりきりになって、孤独で……」というのは驚くほどよく使われる。

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