社会

大災害で後回しにされがちな問題 「みんなで我慢」は性犯罪の温床になる

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まずは声をあげることが性犯罪防止策

私は、被災地における犯罪の発生の増加や性犯罪の増加を煽るつもりはありません。むしろ、被災があろうがなかろうが、性犯罪というのは常に、表面に出てきにくく、被害者が声をあげづらいことこそが問題であると思います。

被災地にはインフラの故障によって暗い道、暗がり、人通りが少ない場所など、犯罪が起こりやすいスポットが生じます。また、避難所生活の場合には男性、女性、子どもが混ざって暮らすので、お互いに不自由を我慢しながら生活する中で、女性や子どもが性犯罪被害に遭っても「こんなことで周りに迷惑をかけてはいけない」と被害を報告、相談することを躊躇してしまうケースが出てくるはずです。

例えば「私たちは家族ぐるみでお付き合いしているのだし、お互い信頼しあっているから衝立とかプライバシーなんて、そんな他人行儀なことはしません」というのは、親切心やお互いを思いやる心かもしれませんが、思春期の子どもたちや女性のように、着替えなどで裸を見られることに抵抗のある人たちにとっては、そういった「みんなで我慢」の発想そのものが、覗きや性的嫌がらせなど、性犯罪の温床になりかねない環境です。

被災地にあって、こういった問題を話しづらい環境はあるかもしれません。しかし、もし「これって変じゃないか」と思うことがあったら、それは「被災地だから」起こっている犯罪なのではなく、どんな場所でも起こり得る「弱いもの、被害を口にできない者を対象にした悪質な犯罪」なのだということを胸に、勇気を持って周りの人、せめて友人や家族などにでも相談してみてほしいと思います。こうした問題について声を上げることはわがままでもなんでもなく、声をあげることによって、誤解によるものも含めて、不必要に不快な思いをすることもなくなりますし、性犯罪を未然に防ぐこともできます。

被災地の1日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

参考
Data Collection: National Crime Victimization Survey (NCVS)
Criminal Victimisation in International Perspective – Key findings from the 2004-2005 ICVS and EU ICS
平成26年版 犯罪白書

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