25歳でコンシェルジュ付きタワーマンション購入。女性が家を持つ=恋愛・結婚の妨げとなるのか?

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伊藤「よく友人から『穴場を教えてって』言われるんですが、正直答えるのがむずかしいです。たとえば、墓地の隣だと多少安くなるケースもありますが、安いからといって、そこに住みたいかどうかは、人それぞれですよね。1階がイヤな人もいますが、1階だと子どもが足音を気にせず走りまわれるというメリットもあります。お得かどうかよりも、自分のお家探しにとって大事な条件とはなにか、を見つけることが重要。そのためには、いろんな物件を見て回るのが早いですよ。最初はハードルが高いと思いますが、別に無理やり買わされたりしないので、ぜひモデルルームや展示場に足を運んでみてください」

――伊藤さんは、ご自分にとっての優先事項がはっきりしていたのが、いまの満足度につながっているんですね。

伊藤「私はマンションの設備やサービスに重きを置いていたので、戸数の多いマンションを選びました。その結果コンシェルジュに頼んで、24時間荷物の受け取りやクリーニングの受け渡しができますし、自分の部屋が狭くても、スタディルームやゲストルームを使えば、広々と暮らすことができます。あと地震のことを考えると、しっかりとした造りの建物に住みたいですね。実は私のマンションの引き渡しが東日本大震災の日。この連載の第1回に登場した方と一緒だったんです

命を守れる頑丈なマンションに住む

――なんと! 中野新橋にお住まいの丸田さんですね。

伊藤「3月11日の17時に鍵を受け取り、まだ1日も住んでないのにいきなり借金地獄!!? と焦ったものです。結果的にマンションに大きな破損はなく、その後の余震の際も、頑丈なマンションに守られていると思うと、不安な気持ちが和らぎました。エレベーターは止まったのですが、私は3階住まいなので不自由なく暮らしていましたし」

――日本は地震が多い国なので、特にタワーマンションはリスクが大きいと考える人もいますね。

伊藤「私もよく『地震が来たらどうするの?』と聞かれます。でも近年建設されたマンションが壊れるような地震は、日本全体が危機にさらされるレベルだと思いますし、そこまでの地震が来たら、損得よりも、まず自分の命を守れる頑丈な建物に住んでいることが大事だと思います。逆に、古い家が崩れることの方が怖いのではないでしょうか」

 東日本大震災のときの仙台のデータを見ると、マンションが崩れ落ちてしまう倒壊の事例はゼロでした(マンションの建て替えが必要になる全壊の事例は100練)。日本の建築基準法が定める耐震基準は大きな地震が起こるたびに改訂されて厳しくなっているので、特に新耐震基準が導入された1981年以降に建てられたマンションは、おしなべて地震に強くなっているといえるでしょう。また古い建物であっても耐震補強工事が行われているケースが多いのも事実です。

伊藤「地震があるから不動産を買わないというのも、もったいない気がします。私はマンションを購入したことで、生活も人脈も豊かになりましたから」

 マンションを購入すると、災害で建物が破損したときには修繕の義務を負うことになります。また日々の管理に関しても、管理組合の活動などでその一端を担うこともあります。それを重荷と思うかどうかは、自分次第。伊藤さんはあえて若いうちから責任や義務を引き受けることで、得られるものも多かったそう。まだ30歳の若さの伊藤さんですが、しっかりとした基盤を持って、仕事もプライベートも充実しているようでした。

(蜂谷智子)

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