ストーカー加害者の根底にある、強い「被害者意識」…三鷹ストーカー殺人事件犯人の言葉から読み解く

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 この事件の加害者である池永チャールストーマス被告(23)は、2013年10月に東京・三鷹市において元交際相手である私立高校3年の女子生徒(18=当時)を刺殺したとして、殺人や銃刀法違反、児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われている。池永被告は被害者宅のクローゼットで待ち伏せして帰宅した被害者を刺殺した後に、被害者の裸体画像をインターネット上に拡散させた。リベンジポルノという言葉が浸透するきっかけにもなった事件だ。

 当初は「娘の名誉をこれ以上傷つけたくない」という遺族の意向で児童ポルノ禁止法違反での起訴はされておらず、2014年に東京地裁立川支部にて開かれた旧一審では懲役22年(求刑無期懲役)の判決が下されていたのだが、東京高裁が「起訴されていないリベンジポルノ行為まで処罰し刑を重くしたおそれがある」と審理を東京地裁立川支部に差し戻した。こうして児童ポルノ禁止法違反で追起訴した差し戻し審が開かれ、今年3月15日、また懲役22年(求刑懲役25年)の判決が言い渡されたのだ。被告は控訴している。

 2人はFacebookで知り合って一時は交際をしていたが、当時、池永被告はFacebookのプロフィール欄に『立命館大学の法学部』であるとウソをついていた。これが重荷になってきたことと「彼女への依存が深い段階まであり、別れたいという気持ちもあり」2012年9月に単身渡米。自然消滅を狙ったが、被告から被害女性への気持ちが醒めることはなく、数カ月後に帰国している。その後、蜜月時代に撮影し池永被告が保存していた裸体画像をインターネット上に拡散すると脅し、被害者にセックスを強要してもいた。

 池永被告は被害者へ殺意を抱き始めた時期を、事件発生の5カ月前だと述べた。その理由として「彼女が出演していた映画を偶然観て、それで彼女への思いが再燃しました」と述べている。被害者も冨田さんと同じく芸能活動をしていた。だが私は、偶然観たという池永被告の言い分はウソだと見ている。執着があるからこそ動向を気にするのがストーカーだ。

 殺害時は“確実に殺害するため”刺す場所をあらかじめ決めていたとも告白。「首もとと、肝臓あたりを狙って刺しました。ここには大きな動脈が流れている。つまり急所です。7回くらいは刺しました。左手の方がリーチが長く、早く刺せると思い、右利きですが左手で刺しました」。被害者の遺体には肝臓と右頸動脈に刺し傷があり、右頸動脈の傷が致命傷になっている。冒頭陳述では「確実に殺害するためにジムで身体を鍛え、友人と組み手の練習をしていた」とも明かされており、殺意は強固なものだった。

 リベンジポルノという言葉が浸透するきっかけとなった、殺害後の裸体画像拡散動機については「やっぱり彼女と付き合ってきた過去を大衆に知らしめるためと、彼女の尊厳を傷つけたいという思いがありました」とふたつの理由を語っており、差し戻し審でも「自分の存在証明」だったと述べている。

 旧一審で、遺族や女子生徒への思いを問われ「想像はできるが共感はできない」と反省の色もなし。「やっぱり彼女は夢も希望もあって能動的に過ごしていた。そんな人の命を自分勝手な理由で絶つ。それは彼女にとって無念、苦痛でしょうね」と女子生徒の未来を奪ったことについて一応、思いを馳せているようだが、他人事のようにも聞こえる。被告は明確な殺意を、そして“輝かしい未来しかないように見える彼女の、夢や希望や尊厳のすべてを打ち砕きたい”という罪深い欲望を自覚していただろう。自覚したうえで計画的に犯行に及んだのだ。そのような被告に、反省を促しても無意味だ。差し戻し審では、池永被告が旧一審判決後に書いたという、「ご遺族への謝罪の手紙」(ご遺族は当然ながら受け取り拒否)の存在も明らかになったのだが、この手紙はご遺族のお名前を書き損じていたり宛名も日付も書かれていなかったりという大変失礼なもので、検察官から厳しく突っ込まれていた。反省の素振りを見せてはいるがそれはあくまで“素振り”だろう。

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