女子教育を軽んじる日本の政治家 男子教育よりも女子教育の優先順位が高い理由

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日本の場合はどうでしょうか? 前回、男性にとって大学教育は1370万円のコストを支払って5200万円の利益を得る、平均収益率が約5.4%の投資だと説明しました。女性についても前回と同様の計算を行うと、女性にとって大学教育は1270万円のコスト(学費等)を支払って6300万円を得る、平均収益率が約7.1%の投資となります(高卒女性が平均して卒業後4年間で約900万円稼ぎ、さらに22歳から59歳までで約1億6300万円稼いでいる一方で、大卒女性は22歳から59歳までで平均して約2億2600万円稼いでいる)。諸外国のように日本でも、女子教育の収益率は、少なくとも高等教育段階では、男子教育よりも高い値となっていて、国の経済発展を考えると女子教育の推進は男子教育の推進に比べて優先順位の高い教育政策だと考えられるでしょう。

今回の計算では算入しなかったものの、高卒と大卒の生涯収入の差は退職金の金額にも反映されるでしょうし、60歳から65歳の女性の高卒と大卒での賃金差は60歳未満のそれよりも大きなものになっています。さらに高卒と大卒の生涯収入の差は65歳以降の年金の額にも反映されるはずです。もちろん、大学の専攻や質によってコストもリターンも大きく変動するので、必ず儲かる投資になるとは断言できませんが、女性にとって大学教育は比較的優れた投資先であると考えられます。

まとめ

冒頭で、日本の政治家が「女性への教育は必要がない」という趣旨の発言を紹介しました。このことは、人権的な側面だけでなく、女子教育の収益率が高いというデータに反しているという点でも大問題です。政治家が政策を様々な指標やデータを見ずに考えるという行為は、パイロットが計器類を全く見ずにジャンボジェット機を操縦するようなもので、仕事柄途上国の名もない航空会社のフライトに搭乗する機会がある私であってもごめん被りたいものです。しかし、そのような政治家を選んでいるのは国民であり、日本社会全体が女子教育の重要性への認識が薄い証左だと考えられます。より豊かで、より平等な日本社会を実現していくためにも、女子教育の重要性が日本の社会でもっと認識される必要があると思います。

次回は今回書けなかった、女子教育の社会的収益についてお話ししたいと思います。

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