シングル女性の住宅購入は、30代が最良のタイミング! 不動産コンサルタントに聞くローンと物件選び

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――たしかに、家賃が下がるのはオーナーにとって死活問題ですもんね。たとえ告知義務がなくても、周囲の噂などで住んでいる人の耳には入るでしょうし。「ここに住んでいるあいだに死んじゃうかもしれないけど、貸し続けて」とお願いするのは、よっぽど大家さんと心のつながりがないと厳しいかも。

高橋「賃貸が無理でも、介護サービス付き高齢者住宅なら入居できますが、その場合は高額になってしまいます。大体平均月額で15万~20万円。ああいった施設は、必要なサービスだけが付いてくるわけではないので、総合的に見ると払い損になる場合も多いのです」

ここでずっと生きていく、という視点

――不動産を買うと老後に安心だというのは、ローンを払い終えれば家賃がなくて金銭的に楽になるという理由だけだと思っていました。でも家賃を払えるのに住み続けられないこともあるんですね。定年後に月々15万円以上も払える気がしないですし。家が自分の持ち物なら、少なくとも居場所は確保できる。誰にも迷惑をかけずに、死ぬことができる居場所が……..考えるだけで寂しくなりますが。

高橋「まあ悲観的な言い方をすればそうかもしれないですけど、人間は慣れた場所にコミュニティをつくって、そこで老いていくのが幸せなのではないでしょうか」

――それは、納得です。もし老人ホームに入ったとして、そこで友だちができればいいですけど、長年の友人が近くにいてくれれば、それに勝る環境はないですよね。いまでも培って来た友人関係をなくすのは辛いのに、老人になってイチからやり直すのはかなりしんどい。老人ホームで出会うのは、それまで歩んできた道も価値観も違う人たちでしょうし。

高橋「老後もおひとりさまで生きていくなら、お金や住まいのことだけでなく、周囲と助け合えるコミュニティづくりについても考えておきたいものです。家を買って『ここでずっと生きていく』という覚悟を持つと、周囲とのつながりも生まれやすいのではないでしょうか」

 たしかに、近所付き合いやマンションの管理組合など、賃貸ではない方が周囲との連携が生まれやすいものかもしれません。それは、いままでのインタビューからも感じました。若いうちにその場所に根をはって、ご近所付き合いや趣味のつながりを地域でつくっていけば、老後も楽しく安心して暮らせるかもしれませんね。

――家を買うことで老後に受けるメリットは理解できましたが、ローンの問題がやはり気になります。いまは雇用も不安定ですから、35年もの長いあいだ固定の金額を支払い続けることが可能なのかと心配になるんです。いったいいつまでに、住宅購入を検討したらいいのでしょうか。リミットはありますか。

高橋「実際のところ30代がいちばんローンの査定が通りやすいのです。もちろんこれは一概にはいえず、多くの退職金が見込める場合などは50代以上でもローンが組めたりしますが。ただ借りる側からしても、家賃代わりにローンを返して、定年までに返済し終えていると気が楽なはず。やはり30代が最良のタイミングなのではないでしょうか」

――30代で固定の金額を35年も払い続けると決めるのは覚悟が必要ですが、その決断の責任を取るパワーがあるのも30代……ということですね。

高橋「賃貸派の人は、ライフスタイルに合わせて住み替えができるメリットを謳いますが、生涯とおして支払う金額を考えると大きなメリットになるかは分かりませんね。都心にひとり暮らしをしたとして、たとえば家賃7万円ぐらいの部屋から最低ラインの5万円に押さえた部屋に住み替えることで、生活は楽になるのでしょうか。引っ越しにも40~50万ぐらいかかるわけで、家賃月2万円を削減する必要がある人には、なかなか出せない金額です。大切なのは支払い可能な範囲でローンを組むということです。自分の収入で借りられる目いっぱいのローンを組んでしまえば苦しくなることもあると思うので」

やっぱり築浅物件がいい!

――そもそも同じランクの物件なら、賃貸から分譲にする場合に月々の支払い額が下がる場合も多いですしね。では結婚はどうでしょう。30代なら結婚の可能性も多いにあるような気がしますが。

高橋「30代半ばになれば、買ってしまってもよいのではないでしょうか。ライフスタイルが変わるというリスクに対しては、売却するという出口もあります。もちろん、どんな物件でも売却できるわけではないですから、売れる物件を選んでおくことは必要ですね」

――その物件選びが、むずかしいんです! どういった物件を選べばよいのでしょうか。

高橋「立地がいちばん大切。駅から近くて、あとは当然ですが築浅の物件の方がいいですね」

――築浅は、正直金額が高いです。そもそも立地のよい場所は、古くからのマンションがすでに建てられていたりもして、新築率が低いですし。最近はリノベーションもブームで、築年数が古くても快適に過ごせそうなお部屋もありますが、そういった物件はどうでしょう。

高橋「最近のトレンドですが、安易に売り買いすることには賛成できません。そういった場合は、より注意深く物件を選ぶ必要があるでしょう。築30~40年のマンションを住み継ぐということは、ここ最近になって起こってきたことで、その建物がさらに50年持つかどうかは、実例がなくまだ誰にもわからないのではないでしょうか」

――そんな博打みたいな状態なんですか?

高橋「物件によると思います。建物はそれまで適切にメンテナンスされてきたかどうかが、後々の状態にもかかわってきますから」

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