浦安市「卵子凍結保存に公費助成は有効」と発表。凍結保存は、女性のワガママではない!

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 これに対して、同院・菊地盤医師は「なんとなく、という気持ちで採卵を決めた人はいない、みなさんそれぞれに切羽詰まった事情があって凍結保存を決断されている」とコメントしています。これは、同市がこの政策を発表したときに多数寄せられた「仕事や遊びなど自分のことを優先して、出産を先延ばしにするのは女性のワガママだ」という市民からの声へのアンサーでしょう。

 そもそも採卵は、簡単にできるものではありません。自宅、または通院で排卵誘発し、数日おきに病院でチェックを受け、採卵当日は入院もします。女性にとっての身体的、精神的、時間的負担が小さくないため、「なんとなくのワガママ」でできるはずもないのです。この「時間がかかる」という事実を踏まえ、採卵希望中の8名は長期休暇が取れるタイミングを見計らって、採卵時期を決定するという説明もありました。

卵子凍結保存では、会社を休めない

 一方で、「採卵を希望しながらも、凍結保存のための受診まで至らなかった」女性たちの理由も、時間にあります。既婚女性は「卵子凍結保存するよりも、早く妊娠出産できるよう調整したほうがいい」と判断して体外受精を選択し、未婚女性は「受診の時間がない」ために凍結を諦めています。通院のみならず、排卵誘発中は副作用が起きる可能性もあり、その際はすぐに病院で診てもらう必要があります。そうでなくても、安静にしておくべき期間。ハードワークは禁物です。卵子凍結保存や不妊治療はきわめて個人的でデリケートなことであるため、それを理由に会社を休むことはおろか、周囲の人に話して理解を得るのもむずかしいのが実情でしょう。

 浦安市は費用を助成することで、卵子凍結保存を希望する女性にかかる負担の一部を軽くしました。これによって将来、「産みたいときに産める」がどこまで広がるかは、いまはまだわかりません。会見では松崎秀樹市長が、

「今回の12名という数字を成果としてとらえ、この事業は有効だと考えています。出産に公費を投じるのは当然のこと。本来は国がやるべきことだけど、いまは浦安市がその歯車を動かしたと思っています」

と、まだ始まったばかりであることを強調しながらも、強い手応えをアピールしました。卵子凍結保存への公費助成について、他の自治体から浦安市への問い合わせは少なからずあるとのこと。けれども、実施に向かって動きが見られるところはないそうです。卵子凍結保存だけが「自治体による少子化対策」ではないのはいうまでもありませんが、では自分が住む自治体は何をやっているのか、一度チェックしてはいかがでしょうか。

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